FlashPaper

FlashPaper（フラッシュペーパー）は、かつてマクロメディアが開発した電子ドキュメント形式です。Adobe Flashの一種であり、PDFと同様の機能を有していますが、より軽量で動作が速いという特徴がありました。かつてはWeb上で広く利用されていましたが、現在は開発が終了しています。

概要

FlashPaperは、マクロメディアがAdobe AcrobatとPDFに対抗する形で発表したファイルフォーマットです。当時、マクロメディアとアドビシステムズ（現在のアドビ）はWeb・デジタルコンテンツ制作において競合関係にあり、マクロメディアは独自のドキュメントフォーマットを開発する必要がありました。元々はBlue Pacific Softwareが開発した技術をマクロメディアが買収したものです。

特徴

FlashPaperはPDFと同様に、各種ドキュメントを「印刷」する形で作成できます。作成されたドキュメントは、元のレイアウトを保持したまま表示・印刷することが可能です。Flash Playerのみで動作するため、起動時間が短く、動作が軽いという利点があります。これらの特徴から、オンライン上でのドキュメント公開に適しており、特に、かつては日本の地方スーパーのウェブサイトで、チラシの配信によく使われていました。

作成方法

FlashPaperを作成するには、マクロメディアが開発したFlashPaper 2などの専用ソフトウェアが必要でした。FlashPaper 2では、印刷オプションでPDFに変換することも可能でした。日本では、ソースネクストから「いきなりPDF FLASHPAPER」として販売されていましたが、マクロメディアのアドビシステムズによる買収の影響で、2006年6月をもって販売が終了しました。

また、FlashPaperはMacromedia Contribute 2および3にも同梱されていましたが、Contributeシリーズの最新版であるAdobe Contribute CS3には、FlashPaperの作成機能が搭載されていません。そのため、CS3以降の世代では、FlashPaper形式のドキュメントを作成することができなくなりました。

FlashPaperの終焉

アドビシステムズによるマクロメディアの買収後、FlashPaperは事実上、アドビの製品ラインナップから外れることになりました。Flashの技術はその後、Adobe AIRなどの形で継承されましたが、FlashPaperそのものは開発が終了し、現在では新規に作成することも利用することも推奨されていません。

関連技術

• - Adobe Flash: FlashPaperの基盤技術であり、Webコンテンツ制作に広く使われていたプラットフォーム。
• - PDF: FlashPaperが競合していたドキュメントフォーマット。現在ではデファクトスタンダードとなっている。
• - Adobe Acrobat: PDFを作成・編集するためのアドビシステムズのソフトウェア。

FlashPaperは、かつては軽量で便利なドキュメントフォーマットとして利用されていましたが、技術の進化と市場の変化の中で、その役割を終えることとなりました。

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