Font Book

macOS標準フォント管理ツール「Font Book」

Font Bookは、Appleが開発したmacOSに標準搭載されているフォント管理アプリケーションです。macOS 10.3 Panther以降のバージョンに付属しており、ユーザーはフォントのインストールから管理、プレビューまで、幅広い操作をこのアプリケーションで行うことができます。

Font Bookの主な特徴

フォントのインストール: ユーザーが新しい.otfまたは.ttf形式のフォントファイルをダブルクリックすると、Font Bookが自動的に起動します。「フォントをインストール」ボタンをクリックすることで、フォントはシステムフォントフォルダにコピーされ、すべてのアプリケーションで利用可能になります。
フォントのブラウジング: システムにインストールされているすべてのフォントを一覧表示し、管理することができます。フォントのリスト表示では、「サンプル」、「レパートリー」、「カスタム」の3つの表示モードがあり、フォントのデザインや含まれる文字を詳細に確認できます。
日本語フォントのサンプル: 日本語フォントのデフォルトサンプルテキストには、宮沢賢治の『ポラーノの広場』の一節が使用されています。また、JIS X 0213:2014に準拠したヒラギノProN/StdNフォントには、JIS X 0208-1990からの変更点である「祇辻飴葛蛸鯖鰯噌庖箸」の10文字が追加されています。
追加フォントの有効化: macOS Sierra (10.12) 以降では、追加フォントの有効化もFont Bookの役割となりました。日本語フォントでは、クレー、Osaka、凸版文久明朝、凸版文久ゴシック、凸版文久見出し明朝、凸版文久見出しゴシック、筑紫A丸ゴシック、筑紫B丸ゴシック、游明朝体、游ゴシック体、游教科書体などが該当します。

Font Bookの主な機能

フォントのプレビューとインストール: フォントファイルをプレビュー表示し、重複インストールを防止しながらインストールできます。
フォント表示: インストールされているフォントを様々なテキストサンプルとサイズで表示できます。
フォントコレクションの作成と管理: フォントをグループ化してコレクションを作成し、すべてのCocoaプログラムで利用できます。
フォントの有効化と無効化: フォントリストの管理を容易にするため、個々のフォントやコレクションを有効化/無効化できます。
フォント検証: フォントファイルにエラーがないかを検証できます。
フォント検索: Spotlightを使用して、フォント名、著作権、言語、スタイルなどの複数の属性に基づいてフォントを検索できます。
高度な組版機能: フォントの配置、カーニング、数字の間隔、背景、斜体、数字、テキストボックスなどをカスタマイズできます。
フォントコレクションのエクスポート: フォントコレクションを別のコンピュータにエクスポートできます。

注意点

Font Bookはフォントの属性を編集する機能は備えていません。そのため、Font Bookを使用してフォント名の変更、マージ、分割、カーニングルールの変更、またはフォントの再設計を行うことはできません。

外部リンク

* Font Bookユーザガイド

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