FromA

フロム・エーの歴史と影響

フロム・エーは、1982年にリクルートが発行したアルバイト求人情報誌です。この雑誌は、リクルートの子会社であるリクルートフロムエー（現在のリクルートジョブズ）が立ち上げた初の試みとして位置付けられ、業界に大きな影響を与えました。

創刊からの軌跡

フロム・エーは創刊当初、主に南関東の1都3県をエリアとしてカバーしていましたが、1980年代末には関西版を、さらに1995年には東海版を創刊するなど、全国規模での展開を見せました。この時期、求人広告の増加に伴い、1989年には新たに「From A to Z」として、毎週金曜日に発行される形態も取り入れました。これにより、事実上週2回の発行が行われ、求職者にとって多様な情報提供が実現しました。

フリーターの誕生と流行

1987年には、「フリーター」という言葉を創出し、これが社会的な流行語となりました。このような新しい言葉は、アルバイトやパートタイム労働を考える人々の意識を変えるきっかけともなり、フロム・エーの価値を一層高めました。また、2003年からは雑誌の全面カラー化が実施され、視覚的にも魅力的なコンテンツが提供されるようになりました。

休刊とその後

フロム・エーは、2009年の3月30日に首都圏版の最終号を発行後、休刊となりました。しかし、「フロム・エー」のブランド名は、現在もインターネット上のアルバイト情報サイト「フロム・エー ナビ」として引き継がれ、多くの求職者に利用されています。

編集長と連載企画

歴代の編集長には道下裕史氏やくらたまなぶ氏が名を連ね、様々な連載企画が人気を博しました。「セイシュンの食卓」や「快傑朝刊小僧」など、読者との繋がりを深める内容が展開され、特に内山信二による「内山君の食らっていいとも!」は多くのファンを獲得しました。

CMソングオーディション

フロム・エーのもう一つの特徴的な取り組みとして、CMソングオーディションがありました。1980年代には一般公募により、選ばれた楽曲がCMソングとして使われていました。これにより、応募したアーティストがメジャーデビューを果たすことも多々ありました。このような試みは、広告の面でも斬新であり、多くの注目を集めました。

別冊とスポンサー活動

フロム・エーでは、夏と冬の年2回、臨時季刊号として「別冊From A」が発行されていました。これはリゾートバイトや農業の求人情報を特集したもので、季節に応じた求職者のニーズに応える内容となっていました。また、フロム・エーはスポーツイベントへのスポンサー活動も展開しており、スキーやモータースポーツの大会に名前を冠したチームを編成するなど、幅広い分野での活動も記憶に残ります。

フロム・エーは、アルバイト情報誌としてだけでなく、社会全体の働き方に影響を与えた重要なメディアでした。紙媒体からデジタルへと移行してもなお、その精神と受け継がれている情報提供のスタイルは、多くの求職者にとって頼もしい存在であり続けています。

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