G.I.ジョー

G.I.ジョー (G.I. Joe)

G.I.ジョーは、アメリカの玩具会社ハズブロが製造する男児向けアクションフィギュアです。このフィギュアは約12インチ（約29cm）というサイズで、主に軍人をモデルにしたデザインが特徴です。G.I.ジョーは、アメリカ合衆国において、兵士の姿をした人形として1960年代に登場し、以来さまざまな形で展開を続けています。

概要

G.I.ジョーの起源は、ハズブロ社の創始者であるハッセンフェルド兄弟に遡ります。彼らは元々廃品を使って鉛筆入れを作る事業を展開していましたが、やがて玩具業界に進出し、男の子向けに特化した人形を開発しました。特に1964年に発売された初代G.I.ジョーは、当時放映されていたテレビドラマ『The Lieutenant』の影響を受けており、可動式の関節を持つ着せ替え人形として人気を博しました。また、G.I.ジョーという名称は、第二次世界大戦中に使われたアメリカ兵を指す一般名詞に由来し、G.I.は政府に支給された品を意味します。

当時の玩具業界では「男の子は人形で遊ばない」とされていましたが、ハズブロはその常識を打破し、G.I.ジョーの成功を収めました。特に1960年代には、本製品の一部が日本で生産されていたことも、このフィギュアの多国籍な発展を示しています。

各国における展開

G.I.ジョーはアメリカ国内だけでなく、さまざまな国に展開されました。イギリスでは1966年から『アクションマン』としてライセンス生産され、日本では同年に三栄貿易によって輸入されました。その後、1969年にはタカラがG.I.ジョーの権利を取得し販売を続けました。特に日本では、当時人気のあったTVドラマ『コンバット!』の影響もあり、兵士がモチーフの玩具が注目を集めていました。G.I.ジョーはその高いリアリズムと多彩なオプションにより、子どもたちに強い印象を与えました。

しかし、高価格のため一部の層にしか届かず、特に経済的に余裕のある家庭の子どもたちにとって、憧れの対象であり続けました。

変遷およびサイズの変更

G.I.ジョーは時代と共に進化し、ベトナム戦争の終結とともに”冒険とスポーツ”をテーマとするAT（アドベンチャーチーム）シリーズへと転換しました。1970年代には大きなフィギュアから、コレクタブルな小型フィギュアである3.75インチサイズのG.I.ジョーが主力となり、様々なキャラクターと物語が展開されました。1982年に復活したこのシリーズは、『G.I. Joe: A Real American Hero』という名のもとに人気を博し、コミックやアニメーションでも展開されました。

その後もアクションフィギュアのサイズやスタイルは変遷し、1990年代には新たに12インチフィギュアも復活しました。特に1996年に始まった『クラシックコレクション』では、リアルミリタリー路線が強調され、以降のフィギュアも精度の高いディティールを備えるようになりました。

現状とカスタマイズ

2020年代以降、G.I.ジョーはさらに多様な展開を見せる中、ファン向けのカスタマイズ文化も根付いています。特にユーザーが作成したオリジナルヘッドや装備品は人気を博し、カスタムG.I.ジョーが市場にも流通しています。このように、G.I.ジョーは単なる玩具にとどまらず、コレクターやカスタマイザーによる表現や創造の場としても機能しています。

G.I.ジョーの歴史は、もはやただのアクションフィギュアに留まらず、文化アイコンとなったその姿を踏まえ、今もなお多くのファンに愛され続けています。

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