GALAXY (クレイジーケンバンドのアルバム)

クレイジーケンバンド『GALAXY』

2006年9月20日、クレイジーケンバンドの通算8作目となるオリジナルアルバム『GALAXY』が、Almond Eyesレーベルより世に送り出されました。前作『Soul Punch』から約1年2ヶ月の期間を経てリリースされた本作は、当時のクレイジーケンバンドの音楽的な広がりと深化を示す作品として位置づけられます。

このアルバムは、発表後に商業的な成功も収めています。オリコン週間ランキングでは、2006年9月20日付のチャートで初登場10位を記録し、発売初週におよそ2万1千枚のセールスを上げました。この実績は、2022年3月時点において、クレイジーケンバンドがこれまでに発表した全アルバムの中で、累計売上枚数において5番目に位置するという重要な記録となっています。

『GALAXY』は、リリース形態においても多様性を持っています。オリジナル盤のCDリリースに加え、発売から約8年半後の2015年2月25日にはアナログ盤としても再登場しました。これは、熱心なファンからの根強い支持と、アナログレコードというメディアへの再評価に応える形となりました。

本作には、イントロやアイキャッチを含め、全26トラックが収録されており、クレイジーケンバンドならではのバラエティ豊かな楽曲群が展開されています。作詞、作曲、編曲は、多くの楽曲でバンドの中心人物である横山剣が手がけていますが、一部の楽曲では他のメンバーや外部アーティストとのコラボレーションも見られます。

アルバムを彩る主要な楽曲としては、以下のようなものが挙げられます。

「ハマのアンバサダー w/FIRE BALL and PAPA B」：レゲエグループのFIRE BALLとPAPA Bが作詞に参加した、異ジャンルとの融合を試みた楽曲です。
「AMANOGAWA」：この楽曲のために制作されたミュージックビデオは、泰太郎氏が監督を務め、俳優の宇梶剛士氏とタレントのダンテ・カーヴァー氏が出演したことで話題となりました。
「メリメリ」：アルバムに先駆けて、クレイジーケンバンドの9枚目のシングルとして発表されていた楽曲です。
「アイワナゲチョラ w/Q from Rappagariya」：ヒップホップユニットRappagariyaのQ氏が作詞で参加しています。
「俺たち海坊主（Instrumental）」：メンバーの小野瀬雅生氏が作曲と編曲を担当したインストゥルメンタルナンバーです。
「ドクロ町ツイスト」「プレイボーイ・ツイスト」「ミニスカハコスカヨコハマヨコスカ」など、バンドの得意とするツイストロックも収録されており、ライブでも盛り上がるであろう楽曲が含まれています。
「12月17日」：布施佳哉氏が監督を務めたミュージックビデオが存在する、情感豊かな楽曲です。
アルバム全体に織り交ぜられた「eye catch」と名付けられた短いトラック群が、アルバムの独特なムードや構成要素として機能しています。

楽曲制作には、横山剣の他、高橋利光、小野瀬雅生が作詞・作曲・編曲で関わっており、G.Dateも作曲・編曲で貢献しています。また、前述の通り、FIRE BALL、PAPA B、Q from Rappagariyaといったゲストミュージシャンが参加し、アルバムのサウンドに新たな側面をもたらしています。

『GALAXY』は、クレイジーケンバンドの音楽的多様性と創造性が詰まった作品であり、商業的な面でも成功を収め、バンドのディスコグラフィにおいて重要な位置を占める一枚です。様々なジャンルを取り込みながらも、一貫したクレイジーケンバンドらしさを感じさせるこのアルバムは、リスナーを文字通り「ギャラクシー」（銀河）のように広がる彼らの音楽世界へと誘います。

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