GBRコード

GBRコード（ガイ-ブランドフォード-ロイクロフトコード）は、チェスの終盤（エンドゲーム）における盤上の駒の配置を表現するための記号体系です。主にエンドゲームの研究や分類、専門的な出版物で索引として利用されています。

GBRコードの構成

GBRコードは、以下の形式で6つの数字を用いて局面を表します。

`abcd.ef`

• - a: クイーンの数（白1個につき1、黒1個につき3として合計）
• - b: ルークの数（白1個につき1、黒1個につき3として合計）
• - c: ビショップの数（白1個につき1、黒1個につき3として合計）
• - d: ナイトの数（白1個につき1、黒1個につき3として合計）
• - e: 白のポーンの数
• - f: 黒のポーンの数

最初の4桁は、キング以外の駒の数を、白は1、黒は3として合計した数を表します。例えば、白のナイトが2個、黒のナイトが1個の場合、`d = 1 + 1 + 3 = 5` となります。キング以外の駒がない場合、この局面は `0000` と表現されます。合計値は0から8までの範囲で、通常起こりうる駒の組み合わせを表します。9は、プロモーションによって生じる可能性のある、通常の範囲外の局面（例：同一色のクイーンが2つ存在するなど）を表すために使用されます。

GBRコードの使用法

GBRコードは、主に以下の2つの方法で使用されます。

1. マテリアルの分類:
終盤における駒の構成を大まかに分類するために使用されます。例えば、有名な「ナイト2個対ポーン1個」のエンドゲーム（トロイツキーライン）は、GBRクラス `0002.01` と分類されます。

2. 特定の局面の索引分類:
特定の局面を索引付けするために、GBRコードは拡張されることがあります。よく使われる拡張には、以下のものがあります。

先手と勝敗: コードの前に、先手と勝敗を示す記号を追加します。`+` は白が先手で勝ち、`=` は白が先手で引き分けを意味します。
キングの位置: コードの後に、白と黒のキングの位置を追加します。例えば、`=0323.12g3g1`は、特定の局面を詳細に特定します。
その他の駒の位置: さらに、キング以外の駒の位置も追加することがあります。この場合、GBRコードはForsyth-Edwards記法（FEN）と同等の情報を持つ記述法となります。

GBRコードの由来

このコードは、リチャード・ガイ（Richard Guy）、ヒュー・ブランドフォード（Hugh Blandford）、ジョン・ロイクロフト（John Roycroft）の3名にちなんで名付けられました。ガイとブランドフォードが最初に、駒の数を表すための異なる数字を使う体系（ガイ-ブランドフォードコード）を考案しました。その後、ロイクロフトが、より覚えやすくするために白の駒を1、黒の駒を3と数える方法を提案しました。

GBRコードの例

例として、以下のような局面を考えてみましょう。

白のクイーンが1つ、黒のルークが1つ、白のポーンが2つ、黒のポーンが1つの場合、GBRコードは `1300.21` となります。
* 白のナイトが2つ、黒のビショップが1つ、ポーンが両者ともない場合、GBRコードは `0032.00` となります。

このように、GBRコードはチェスの局面を簡潔かつ明確に表現するための強力なツールであり、終盤の研究や分類において広く活用されています。

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