GBU-39

GBU-39: アメリカの小型航空爆弾

GBU-39は、アメリカ合衆国によって開発された小型航空爆弾であり、「滑空爆弾」として知られる精密誘導爆弾の一種です。この爆弾は、特に精密誘導装置を装備し、取り扱いが容易な特性を持っています。

特徴

この爆弾は小直径爆弾（Small Diameter Bomb, SDB）シリーズの一部であり、小型であるため、爆発力は比較的制限されますが、その分、破壊力も抑えられています。また、GBU-39は目標に非常に正確に誘導されるように設計されており、ミサイルとは異なり推進装置は持たず、投下後に展開される翼を使用して長距離滑空し、目標に向かって突入します。これにより、母機は安全な距離から攻撃を行うことが可能です。

この爆弾は、小型化することで短い全長を持ち、F-22のウェポンベイに収容するために設計されています。長さは約1.8メートルで、これにより多くの弾薬を搭載できます。GBU-39の主な目的は、攻撃目標周辺への付随的な被害を最小限に抑えることです。

歴史的背景

GBU-39の開発には、1999年のコソボ紛争が大きく影響しています。この紛争で、アメリカの空爆が周辺の民間人に被害を与えたことを受けて、より小型で破壊力の低い精密誘導爆弾の必要性が認識されました。2001年からの開発に着手され、その後ボーイングとロッキード・マーティンの競争試作を経て、2003年にボーイング社の設計が採用されました。GBU-39はイラク戦争の2006年に初めて実戦に投入され、以降、様々な軍事作戦で使用されています。

運用国と利用状況

GBU-39は、アメリカ合衆国空軍をはじめ、イタリア空軍やイスラエル航空宇宙軍、オーストラリア空軍、日本の航空自衛隊にも採用されています。特に、イスラエル軍は2008年にガザ侵攻でこの爆弾を使用し、地下道の破壊に利用しました。また、日本は2015年に訓練弾と実弾を購入し、運用を開始しています。

諸元と性能

GBU-39は、長さ約1.8メートル、幅19センチメートル、重量約130キログラム、爆薬部分は約93キログラムです。特筆すべきは、その貫通能力であり、最大6フィートの鉄筋コンクリートや3フィートの鋼鉄補強コンクリートを貫通することができるため、様々な環境下でも効果的に機能します。誘導装置にはGPS/INSが用いられ、平均的な誤差半径は5から8メートル、最大射程は約110キロメートルに達します。

このように、GBU-39は小型で高性能な精密誘導爆弾として、現代の航空戦において重要な役割を果たしていると言えるでしょう。

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