GBU-53/B ストームブレイカー

GBU-53/Bストームブレイカー

GBU-53/Bストームブレイカーは、アメリカ合衆国が開発した空中発射式の精密誘導滑空爆弾で、市場では以前「小直径爆弾II（SDB II）」として知られていました。この兵器は全天候対応が特徴で、スタンドオフ距離から移動目標に対する攻撃能力を持ち、250ポンド（約113kg）クラスの誘導爆弾です。その開発は2006年に始まり、ボーイングとロッキード・マーティンの共同チームによって進められましたが、一時的に汚職に関連するスキャンダルが影響し、数年間の中断を余儀なくされました。最終的にコンペは再開され、2009年には初試験が行われ、2015年にはレイセオンによる初期生産契約が締結されました。

使用方法

この爆弾はGPSとINSを組み合わせた誘導システムを用いて、移動目標への精密攻撃を行います。初期段階では自らの誘導能力を活かして目標の近くへ向かい、そこからUHFデータリンクを介して受け取ったデータで経路修正を行います。さらに、目標捕捉には3つのモードがあって、ミリ波レーダーや非冷却赤外線シーカー、セミアクティブレーザー誘導を用いることで精度を高めています。これは、センサーからの情報を統合して目標を識別し、半自律的に特定の目標に優先順位を付けて攻撃を行うことができるため、非常に高機能です。

独自の成型爆薬弾頭は、爆発時に生じる衝撃波や破片によって、歩兵や装甲目標、さらには未防護の建物などに対して効果を発揮します。また、当兵器は初めて運転禁止区域を強制的に設けるための兵器として設計されており、アメリカの軍事戦略において重要な役割を果たしています。

配備機体

ストームブレイカーは、主にF-15E、F/A-18E/F、F-35の各機に搭載される予定です。F-15Eでは、7つのBRU-61/Aサスペンションユニットを使用し、各ユニットに4つの爆弾を装備できるため、総計28発のGBU-53/Bを搭載可能です。さらに、F-22やF-35（特にSTOVL仕様のF-35B）では、内部に8発、外部に16発の計24発を装備できる設計となっています。

導入計画と歴史

アメリカ空軍では、F-15Eを使用して本爆弾を運転禁止区域の強制及び攻撃的兵器として運用する計画が立てられています。海軍や海兵隊もF-35を使った統合打撃戦闘機としての活用を予定しています。最初の納入は2014年の後半から始まる計画で、政府は2016年までの納入を指示しました。

もともとボーイングが開発した小直径爆弾（SDB）シリーズは、移動目標を対象にした設計が特長であり、この新型は悪天候でも使用できる能力を有しています。2012年には、アメリカのホワイトサンズ・ミサイル実験場にて移動標的相手にする試験が成功したことで、開発の重要な進歩が確認されました。

以後もオーストラリアや韓国など、他国への供給についても計画が持ち上がり、2020年には新型爆弾の運用試験が行われる予定です。

参考文献

これらの情報は、GBU-53/Bストームブレイカーの性能とその運用実績を示すものであり、今後の軍事戦略における役割が期待されています。

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