GCSE

GCSE：イギリスの中等教育修了資格

GCSE（General Certificate of Secondary Education）は、イングランド、ウェールズ、北アイルランドで実施されている中等教育修了資格です。日本では「中等教育修了一般資格」と訳されています。スコットランドでは独自の資格制度が用いられています。GCSEは、数学、歴史、芸術など、各科目ごとに資格が与えられます。

GCSEの歴史：CSEとOレベルからの発展

GCSE導入以前は、CSE（Certificate of Secondary Education）やOレベル（General Certificate of Education Ordinary Level）が用いられていました。CSEはGCSEのグレードC～Gに、OレベルはA～Cにそれぞれ相当しますが、別々の資格制度であり、採点基準も異なっていました。このため、両制度の間に成績の上下で不公平が生じるという批判がありました。Oレベルは後にA～EとU（Ungraded）に等級が改められましたが、1975年以前は認定機関によって等級システムも異なっていました。CSEは1～5の等級で、1が最上位でした。最上位のCSEはOレベルのCと同等とみなされていましたが、異なるカリキュラムに基づいていたため、Aレベル進学には追加の学習が必要でした。1980年代には両資格の統合が試みられ、「16+」試験も実施されましたが、CSEとOレベルの最終試験は1987年に行われました。

GCSEは1988年に導入され、16歳で教育課程を卒業する生徒のための国家資格として確立されました。CSEとOレベルが統合されたことで、より多くの生徒が同じ基準で評価されるようになりました。導入当初はA～Gの等級で、CはOレベルのC、CSEの1とほぼ同等に設定されました。

GCSEの構成と科目

義務教育修了には、英語、数学、理科を含む5科目でのA～Cグレード取得が通常求められます。取得できる資格は学校や生徒によって異なりますが、英国バカロレア資格取得を目指した科目の履修が推奨されています。英国バカロレア資格には、英語、数学、理科、現代語または古典語、歴史または地理の取得が必要になります。

現在のGCSE科目は、Ofqual（規制当局）のコア要件により、以前より少なくなっています。英国独自科目や特定認定機関限定科目もあります。

コア科目（2017年以降、英国バカロレア資格受験要件）

英語
数学
理科（生物、化学、物理、または総合科学）
語学（現代語または古典語）
* 人文科学（歴史または地理）

その他、宗教学、市民権研究、コンピュータサイエンス、体育などは、キーステージ4の全国カリキュラムの一部として多くの学校で必修となっています。現代語の選択肢には、アラビア語、ベンガル語、中国語（広東語・マンダリン）、フランス語、ドイツ語など多数の言語が含まれます。

試験と支援策

GCSE試験は、科目、学校、認定機関によって、9年生または10年生から2～3年かけて準備され、イングランドとウェールズでは11年生の学年末に実施されます。学習障害、負傷、障害のある生徒には、試験時間延長、代筆者、ワードプロセッサ、点字など、様々な支援が提供されます。これらの支援は認定機関の承認が必要です。病気や予期せぬ事態の場合は、特別な配慮を申請できます。

まとめ

GCSEは、イギリスの中等教育における重要な資格であり、高等教育進学や就職に大きく影響します。その歴史、構成、試験、支援策などを理解することで、イギリスの教育制度への理解を深めることができます。

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