GD-高速道路ゴシックJA

GD-高速道路ゴシックJA

GD-高速道路ゴシックJAは、高速道路の案内標識に採用される日本道路公団の標準文字を模したコンピュータ用の無償フォントセットです。これは、1963年に名神高速道路が開通した際に始まり、日本の高速道路の標識に使用されてきた「公団文字」のデザインを参考にしています。この記事では、GD-高速道路ゴシックJAや公団文字についての詳細を説明します。

公団文字の歴史

公団文字は、日本における高速道路初の公的な標識フォントとして1963年に導入されました。当時、日本の市販フォントは少なく、標識に必要な文字がなかなか見つからなかったため、日本道路公団の専門家たちが一からデザインを手掛けました。設計の際は、標識が120メートル手前で読み取れるようにすることが求められました。これを実現するために、文字は直線的でシンプルな形状に仕上げられ、均一にナロウタイのフォントで表現されました。

山根一眞氏は著書の中で、公団文字の特徴や設計に関する基準について触れています。特に、文字の高さはドイツのアウトバーンに基づき50センチに決められ、すべての文字が等幅で設計されたのは、反射材テープを用いて標識を製作するための工夫によるものでした。

ただし、多くの手作業で文字が作成されたため、最終的には全体のデザインにばらつきが出てしまうという課題が残りました。これに対处理として、2010年にNEXCOが発表した改訂によって、標識の字体が変更されることになりました。これにより、和文は「ヒラギノW5角ゴシック」、欧文は「Vialog Medium」に変更され、より一貫性のあるデザインを目指すことになりました。

GD-高速道路ゴシックJAの概要

GD-高速道路ゴシックJAは、先に述べた公団文字を再現したフォントです。このフォントは個人製作であり、標識現地でサンプルを取り、そのデザイン要素を解析して製作されています。未発見の文字に関しては、他の既存フォントから部首を組み合わせて新しく設計されており、現在も開発が進められています。

このフォントは、作者の公式サイトにおいてCC BY-SA 4.0ライセンスのもとで利用できることが明示されています。これにより、Wikipediaなどのプロジェクトでも幅広く使用されることが可能です。

バージョン情報

GD-高速道路ゴシックJAには、OTF版とTTF版の2種類があります。それぞれ異なるフォーマットで提供されるため、利用者は用途に応じたフォントを選ぶことができます。

沿革

• - 2005年2月9日 - フォントの作成開始
• - 2009年4月15日 - Rev099 Beta版公開
• - 2009年6月 - Rev100 Beta2 OTF版、TTF版公開
• - 2010年6月 - Rev106 Beta OTF版、TTF版公開
• - 2011年6月27日 - Rev108 Beta OTF版・TTF版公開
• - 2012年5月7日 - Rev109 Beta OTF版公開
• - 2013年3月31日 - Rev111 Beta OTF版公開
• - 2017年5月17日 - Rev112 Beta2 OTF版公開

結論

GD-高速道路ゴシックJAは、日本国内の高速道路の標識フォントとしての歴史を色濃く反映したフォントです。そのデザインは、公団文字を基にしながら新しく開発され、無償で提供されることで幅広い利用を促進しています。今後も利用者やデザイナーにとって、重要なリソースとなることでしょう。

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