GET!フジ丸

GET!フジ丸

『GET!フジ丸』は、能田達規による日本の漫画作品。1994年から1995年にかけて『週刊少年チャンピオン』（秋田書店）で連載され、高校サッカーを題材にした熱い青春物語として人気を博しました。

ストーリー

元女子高の私立しらゆり学院に新設されたサッカー部。そこへ、ブラジル帰りのエース、荒木富士丸（フジ丸）が入部します。中学時代に実績のある細川真や村上秀之といった実力者も集まり、チームは徐々に力をつけていきます。

コーチには、大学時代に名選手だった野村文彦が就任。最初の練習試合では強豪・黒崎高校に大敗を喫しますが、この敗北を機にしらゆりイレブンは奮起。インターハイ東京都予選では、地区予選を勝ち抜き決勝トーナメントに進出します。決勝トーナメントでは、因縁の黒崎高校を破り、準々決勝ではブラジル人コンビ擁する聖カナリア学園と激戦を繰り広げるなど、快進撃を見せます。

しかし、高校選手権東京都予選に向けてチームを強化している最中、コーチの野村が学校を去ることになります。ショックを受けるフジ丸たちでしたが、桜井新監督や転校生の百地明が加入。厳しい夏合宿を経て、必殺の「サンダーボルト・フォーメーション」を編み出し、高校選手権予選に挑みます。

都予選決勝は、しらゆり学院対黒崎高校の激突。試合は黒崎が優勢に進めますが、しらゆり学院の佐々木伸二を中心とした守備陣の奮闘により、後半、フジ丸が2得点をあげ逆転勝利。見事、全国大会への切符を手にします。

全国大会でも優勝を果たしたしらゆり学院。大会後、フジ丸は「世界一のサッカー選手になる」と宣言し、Jリーグのクラブへ入団するため高校を退学します。2年後、FIFAワールドカップ出場を目指す日本代表に、フジ丸の姿がありました。アジア予選最終戦のサウジアラビア戦に後半途中から出場し、決勝点を決めるフジ丸。スタンドで見守る高校時代の仲間たちに笑顔で応えるシーンで物語は幕を閉じます。

登場人物

しらゆり学院高校

荒木 富士丸（あらき ふじまる）
本作の主人公。通称「フジ丸」。ブラジル仕込みのドリブルと決定力を武器に、チームを勝利に導きます。天真爛漫な性格で、得点後のダンスパフォーマンスも人気。
細川 真（ほそかわ まこと）
しらゆり学院理事長の孫。中学時代はクラブチームに所属していた実力者で、キャプテンとしてチームをまとめます。クールな性格ですが、プライドが高い一面も。
村上 秀之（むらかみ ひでゆき）
歯に衣着せぬ物言いが特徴のゴールキーパー。長髪をバンダナで束ねています。
佐々木 伸二（ささき しんじ）
女子目当てでしらゆり学院に入学したものの、中学時代は「二中のリベロ」として名を馳せた実力者。熱くなりやすい性格。
百地 明（ももち あきら）
広島弁が特徴的な転校生。ボランチとして、しらゆり学院の中盤を支えます。お好み焼きが好物。
野村 文彦（のむら ふみひこ）
しらゆり学院サッカー部のコーチ。大学時代はJリーグ入りも噂された名選手でしたが、怪我のため引退。後に黒崎高校の監督に引き抜かれます。
桜井 明美（さくらい あけみ）
サッカー部とバレー部の顧問を兼任。サッカーは素人ですが、野村の退任後、チームを率いることになります。
桜井 ひかる（さくらい ひかる）
桜井明美の妹で、サッカー部のマネージャー。
理事長
細川真の祖母で、しらゆり学院の理事長。孫を溺愛しています。

私立黒崎高校

別所（べっしょ）
黒崎高校サッカー部の監督。後に解任されます。
沖田（おきた）
黒崎高校サッカー部のキャプテン。当初はしらゆり学院を見下していましたが、後に考えを改めます。
杉本（すぎもと）
黒崎高校のエースストライカー。性格に難がありますが、FWとしての能力は高い。
宮城（みやぎ）、木村（きむら）
野村監督によって抜擢された選手。抜群のコンビネーションを誇ります。

聖カナリア学園高校

リカルド・ロドリゲス、パウロ・セルジオ
ブラジルからの留学生。高いサッカー技術を持ち、チームの主力として活躍します。
ジウマール
聖カナリア学園の監督で、フジ丸がブラジル時代に所属していたチームの元監督。後に日本代表の監督に就任します。

特徴

* サンダーボルト・フォーメーション：桜井監督が考案した、電光石火の速攻フォーメーション。

『GET!フジ丸』は、個性的なキャラクター、熱い試合展開、そしてほのぼのとした日常が魅力のサッカー漫画です。友情、努力、勝利が詰まった、青春の物語として、多くの読者に感動を与えました。

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