GNOME 辞書

GNOME辞書（GNOME Dictionary）は、Emmanuele Bassi氏らによってC言語で開発された、オープンソースの辞書クライアントソフトウェアです。GNOMEデスクトップ環境の一部として提供されており、gnome-utilsというメタパッケージに含まれています。

このソフトウェアの主な機能は、ユーザーが調べたい単語の意味を、元の辞書データに遡って詳細に調べることができる点です。単に単語の意味を表示するだけでなく、その定義がどのように記述されているかを原文で確認できるため、より正確な理解を深めることができます。

GNOME辞書の歴史は、当初「gdict」という名前のディクショナリープロトコルクライアントとして始まりました。この初期バージョンは、Bradford Hovinen氏、Spiros Papadimitriou氏、Mike Hughes氏らによって開発され、GNOME 1.xの時代にはgnome-utilsメタパッケージの一部として配布されました。また、GNOMEの他のアプリケーションと同様に、アプレットやパネルに追加して利用することができました。

しかし、GNOME 2.0のリリース後、しばらくの間はGNOME辞書を直接メンテナンスする開発者が不在となっていました。そのため、gdictの基本コードのメンテナンスが困難な状況に陥りました。そこで、2005年10月、現在のメンテナーであるEmmanuele Bassi氏が、このプログラムを全面的にスクラッチから書き直す決断をしました。古いコードはすべて削除され、新しいGNOME辞書が再構築されることになりました。

この再構築されたGNOME辞書は、GNOME 2.13の開発版に追加され、GNOME 2.14で一般ユーザーに公開されました。新しいバージョンでは、複数の辞書から同時に検索できる機能が追加され、表示された定義をテキストファイルとして保存することも可能になりました。また、インターフェースも大幅に改善され、より直感的で使いやすいものになりました。

GNOME辞書は、GNOMEデスクトップ環境のユーザーにとって、日々の作業や学習において欠かせないツールの一つとなっています。オープンソースであるため、誰でも自由に利用、改良できる点も大きな魅力です。

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nihongobenkyo.org - 一般向け日本語辞書サーバー

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