GO! レスラー軍団

GO! レスラー軍団：プロレスとシュールな笑いの融合

1989年、テレビ東京系列で放送された『GO! レスラー軍団』は、カネボウフーズのガムラツイストやラーメンばあ付属のレスラー軍団抗争シールを原作とするアニメ作品です。独特のシュールコメディが魅力で、メインライター浦沢義雄氏の手腕が光る一作となっています。

地球をかけたプロレスバトル

物語の中心は、ドン・ゴッド理事長率いる世界プロレス団体です。正規軍、覆面軍、ラーメン軍、タッグ軍、メン魔軍など様々なレスラー軍団がしのぎを削る中、かつて封印された悪女ビーナトロンIIが地球征服を企みます。ビーナトロンIIは配下の超悪魔生命体を各軍団に送り込み、地球制圧を図ろうとします。

正規軍のロビン、ベン・K、星若丸の3人は、我無羅殿神王の導きにより、「勇気」「団結」「友情」の3つの心が一つになることで史上空前の必殺技を繰り出せる力を秘めています。超悪魔生命体と結託したレスラー軍団との壮絶なプロレスバトルが展開され、正規軍は何度もピンチに陥りますが、秘書マリリンの機転や仲間との絆を力に危機を乗り越えていきます。

個性豊かなキャラクターたち

正義の正規軍には、勇気を持つロビン、団結を司るベン・K、友情を象徴する星若丸、そしてドン・ゴッド理事長、そして頼れる秘書マリリンがいます。一方、悪の軍団には、卑怯な手段を得意とする覆面軍のアイ・ガーン大佐、タッグ戦を得意とするタッグ軍、香港を拠点とするラーメン軍、イタリアから現れたメン魔軍など、個性的なレスラーたちが登場します。

それぞれの軍団には、個性的なキャラクターが揃っています。覆面軍の大佐は、最初は悪辣なキャラクターでしたが、物語が進むにつれてコミカルなキャラクターへと変化していきます。ラーメン軍のラーメンばあさんは、一見普通の老婆ですが、実は若き日にはドン・ゴッド理事長の初恋相手だったという設定も存在します。メン魔軍の面魔四天王は、それぞれ独特の個性と必殺技を持ち、正規軍を苦戦させます。

予想外の展開と感動の結末

ビーナトロンIIは、超悪魔生命体を次々と送り込み、正規軍を苦しめ続けます。ロビンたちは幾度となく勝利を収めますが、ビーナトロンIIの策略により、「史上空前の必殺技」は悪の化身と化してしまいます。ロビンは初めて敗北を経験し、大きなショックを受け失踪してしまいます。しかし、仲間たちの励ましにより勇気を取り戻したロビンは、ベン・K、星若丸と共に真の心の修行を行い、再びビーナトロンIIに立ち向かいます。

最終決戦では、ロビンたちは真の「勇気」「団結」「友情」を体現し、「史上空前の必殺技」を再び正義の力として召喚します。超悪魔生命体たちの繰り出す「宇宙最悪の反則技」を退け、ビーナトロンIIと超悪魔生命体を再び封印することに成功し、正規軍の大勝利で物語は幕を閉じます。

アニメ独自の設定と魅力

アニメ版『GO! レスラー軍団』では、原作シールにはないオリジナルキャラクターやストーリーが展開されています。例えば、史上空前の必殺技や超悪魔生命体、そしてニンジン・ジャックやピーマン・ジャックといったキャラクターは、アニメオリジナルの設定です。これらの要素が、アニメ版独自のユーモラスで魅力的な世界観を創り出しています。

また、実況アナウンサーやレフリーといったプロレスならではのキャラクターも登場し、作品にリアリティと臨場感を添えています。個性的なキャラクター、予想外の展開、そして友情・勇気・団結といった普遍的なテーマが融合した『GO!レスラー軍団』は、子供から大人まで楽しめる作品です。シュールな笑いの中に、友情や努力の大切さも描かれた、魅力的なアニメ作品と言えるでしょう。

もう一度検索