GODZILLA

映画『GODZILLA』について

『GODZILLA』は、1998年にアメリカで公開された特撮映画で、トライスター ピクチャーズが提供した作品です。日本の東宝が創作したキャラクター「ゴジラ」を基にしており、公開当初から注目を集めました。日本では『エメゴジ』と呼ばれ、特に観客の間で強い反響を呼びました。キャッチコピーは「人類に打つ手は無い」。アメリカ版では“Size Does Matter”（巨大さそれが度肝を抜く）というプロモーションも行われ、公開に対する期待感が高まりました。

公開と興行成績

本作はアメリカで初日3,310館、7,363スクリーンで上映され、オープニング興行成績は7,400万ドルを記録。これは映画史上歴代で2位にあたる数字です。また、日本でも51億円を超える興行成績を上げました。本作の製作費は1億3千万ドルにのぼり、東宝の制作費の10倍以上に達しましたが、アメリカ市場での成功がその投資に見合う結果となりました。更にインフレーションを考慮すると、本作も屈指の興行収入を上げたと言えます。

ストーリーの概要

南太平洋での漁船の沈没事件が発端となり、唯一の生存者から「ゴジラ」という名が明らかとなります。生物学者ニック・タトプロスは、ゴジラの正体を探るために派遣され、様々な証拠を集めます。続けて、異常な活動を示す巨大な足跡や破壊された船の残骸が各地で見つかります。最終的にニューヨークに上陸したゴジラは、人々を恐れさせ、軍との壮絶な戦闘が繰り広げられます。ニックは軍に協力し、ゴジラ退治の作戦に参加するが、次第に事態は深刻になり、彼自身も逃げることを余儀なくされる。

登場人物

ニック・タトプロス

生物学者であり、事件の解決に向けて組織されたプロジェクトの中心的存在。元々は米国の生物学研究を行っていたが、今回の騒動でゴジラの生態を研究し迫害されることになる。

オードリー・ティモンズ

駆け出しのジャーナリストで、ニックの元恋人。ゴジラの事件を取材しているうちに、再びニックと合流し、事件に巻き込まれていく。

フィリップ・ローシェ

保険調査員と見せかけたフランスの諜報員。本作の中で、彼は自国の核実験がゴジラを生み出したことを秘密裏に探る。

アレキサンダー・ヒックス大佐

米軍の対ゴジラ部隊指揮官で、徹底的にゴジラを排除しようとする人物です。

技術面と制作

本作では、最新のCG技術を駆使してゴジラをリアルに表現しました。監督のローランド・エメリッヒは、現代の特撮技術を用いたゴジラ像を追求し、特にアクションシーンに力を入れました。また、音楽はデヴィッド・アーノルドが担当し、主題歌にはパフ・ダディとジミー・ペイジが参加しています。

評価と反響

本作は賛否が分かれました。日本のファンからは「真正のゴジラではない」との批判が多く、従来のゴジラ像を崩す作品だとされました。多くのレビューでは、キャラクター性の違いが否定的に評価され、アメリカでは「GINO（名ばかりのゴジラ）」として一部から軽視されました。ただし、単体のモンスターパニック映画としてみた場合、評価が高い作品ともなりました。

また、製作に携わった人々は、特撮としても高い完成度を示したと評価しました。総じて、興行的には成功したものの、ファンからの評価が分かれるという微妙な立ち位置にある作品です。公開から数年を経て、作品の再評価も進んでいますが、それでもファーストインプレッションは強く、当時の記憶に残ることでしょう。

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