GOGO DEMPA

でんぱ組.inc『GOGO DEMPA』：5周年を彩る、進化と深化のアルバム

2016年4月27日、でんぱ組.incの4枚目のオリジナルアルバム『GOGO DEMPA』がリリースされました。前作『WWDD』から1年2ヶ月ぶり、6人体制となって5年目の節目に発表された本作は、オリコンウィークリーチャートで3位を記録するなど、大きな注目を集めました。

多彩な楽曲と、進化するサウンド

アルバムには、既存のシングル曲やカップリング曲に加え、2015年10月から2016年3月にかけて配信された楽曲、そしてジェーン・スーや車谷浩司といった豪華作家陣が手掛けた新曲の計15曲が収録されています。

従来の“電波ソング”と呼ばれるジャンルにとどまらず、ジャズファンクの要素を積極的に取り入れ、ブラスセクションを多用した華やかでポップなサウンドが特徴です。一方で、『アンサンブルは手のひらに』のようなジャズ、『惑星★聖歌〜Planet Anthem〜』といったEDM、『キボウノウタ』や『ユメ射す明日へ』のようなセンチメンタルなバラードなど、幅広い楽曲が収録されており、でんぱ組.incの音楽的探求の深まりを感じさせます。

メンバーの想いと、アルバムのテーマ

アルバムタイトル『GOGO DEMPA』の『GOGO』は「5年目」を表しており、メンバーそれぞれの想いが楽曲に反映されています。

リーダーの相沢梨紗は、アルバム全体の流れを「明るく始まり、途中でアンニュイな曲が挟まり、最後はしっとりとした曲で終わる」と表現し、新たな挑戦と成長への意識の高さを語っています。古川未鈴は、既存のシングル曲がアッパーな楽曲が多い分、新曲はゆったりとした曲調が多いことを指摘し、5年目だからこそできたアルバムであると述べています。藤咲彩音は「涙」が多いアルバムだとし、5年間を振り返るような楽曲が多く含まれていることを説明しています。最上もがは、ゆったりとした曲調が多いことや、暗めな曲調から希望に満ちた歌詞への展開に注目しています。夢眠ねむは、新曲全体に未来を見据えた挑戦的な姿勢が感じられると語っており、新しいでんぱ組.incの形を作り上げたと表現しています。

また、夢眠ねむは、楽曲のクオリティの高さを認めながらも、ライブパフォーマンスの重要性を強調。ライブでは、メンバーのバックボーンが歌声を通して感じ取れることで、楽曲の印象が大きく変わると述べています。

アーティストによる多様な解釈

音楽ライターからは、多様な評価が寄せられています。柴那典は、「過剰さと大衆性のハイブリッド」と評し、でんぱ組.inc独自の音楽性をさらにポップに広げていると高く評価しました。他のライターも、新たなフェーズへの突入や、カラフルな個性と広い地平への挑戦を指摘しています。また、音楽的な冒険心と、6人それぞれの個性と声質が織りなす独特の魅力が、常に新鮮さを保つ理由だと分析する声もありました。一方で、楽曲のアレンジにさらなる挑戦を求める意見もありました。

豪華なアートワーク

アートワークは志賀匠がディレクションを担当し、初回限定盤には愛☆まどんな、浅野いにお、ICHASU、最後の手段、谷口菜津子、陽子といった6名のイラストレーターがメンバーを描いたイラストが使用されています。メンバーも、それぞれのイラストレーターとメンバーの個性が合致していることを喜び、アニメ化を想像させるような豪華な仕上がりとなっています。

まとめ

『GOGO DEMPA』は、でんぱ組.incがこれまで培ってきた音楽性の上に、新たな挑戦と深化を重ねた作品です。ジャズ、EDM、バラードなど、多彩な楽曲が収録されており、5周年という節目にふさわしい、充実した内容となっています。オリコンチャートでの好成績も、その高い完成度を示すものと言えるでしょう。多様な楽曲と、メンバーの成長、そして豪華なアートワーク。様々な角度から楽しめる、まさに「ゴーゴー」と突き進むでんぱ組.incの集大成と言える一枚です。

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