GOLD/黄金

甲斐バンドの10作目のオリジナル・アルバム『GOLD/黄金』は1983年にリリースされました。このアルバムは、甲斐バンドの「NY3部作」の第二弾として位置づけられています。

サウンド面では、ボブ・クリアマウンテンによるミックスが施され、洗練された雰囲気が特徴です。しかし、本作の制作当時、甲斐よしひろはサウンドが洗練されていく一方で、バンドの演奏力の不足が浮き彫りになることにストレスを感じていたと言います。この経験が、次作『ラヴ・マイナス・ゼロ』の制作に大きな影響を与え、各パートが個別にベストテイクをコンピュータに打ち込み、多くのスタジオミュージシャンを起用するという制作スタイルへと繋がりました。

また、甲斐よしひろのソロアルバム『ストレート・ライフ』に収録されている『レイン』は、本作のレコーディングセッション中に「甲斐バンドバージョン」のデモが制作されています。このバージョンは、後に甲斐のデビュー25周年記念CD-BOX『HIGHWAY 25』で聴くことができます。

2007年には、本作は紙ジャケット・デジタルリマスター盤として復刻されました。この際、ボーナストラックとして2曲が追加収録されています。

収録曲は以下の通りです。

1. GOLD
2. ボーイッシュ・ガール
3. シーズン
4. マッスル
5. ムーンライト・プリズナー
6. MIDNIGHT
7. 危険な道連れ
8. SLEEPY CITY
9. 胸いっぱいの愛
10. 射程距離

2007年のリマスター盤には、ボーナストラックとして「時雨れて」と「シーズン (TV MIX)」が追加収録されています。

本作に参加したミュージシャンの詳細な情報は、公式ウェブサイトなどで確認できます。

さらに、編集盤『ポイズン80's』では、「NY3部作」の各楽曲のアルバム未収録テイクや未発表テイクが公開されています。これにより、本作に収録されたテイクとの比較を楽しむことができます。

甲斐バンド『GOLD/黄金』は、洗練されたサウンドと、バンドの苦悩が入り混じった、聴きごたえのある作品です。

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