GOMA

GOMA：ディジュリドゥと絵筆で彩る人生の軌跡

1973年大阪府生まれのGOMAは、オーストラリア先住民族アボリジニの伝統楽器であるディジュリドゥの奏者として知られています。その独特の音色は、世界中の人々を魅了し、1998年にはオーストラリアで開催されたディジュリドゥコンペティションで準優勝という輝かしい成績を残しました。国内外での演奏活動は順調に推移し、独自の音楽世界を確立しつつありました。

しかし、2009年、首都高速道路での交通事故をきっかけに、GOMAの人生は大きく変わります。事故による高次脳機能障害は、彼の記憶や日常生活に深刻な影響を与え、活動を一時休止せざるを得ない状況に陥りました。

絶望の淵に立たされたGOMAでしたが、そこで彼は新たな表現方法を見つけます。それは、絵画でした。点描画を描き始めたGOMAは、失われた記憶の断片や、事故後の心境を作品に投影していきます。2010年には初の個展「記憶展」を開催し、多くの人々の共感を呼びました。絵画は、GOMAにとって失われた記憶を取り戻すための試みであり、同時に新たな表現手段として大きな役割を果たすことになります。

絵画活動と並行して、GOMAは音楽活動にも復帰。2011年には再びディジュリドゥを奏で始め、その音色は以前にも増して力強さと繊細さを兼ね備えたものとなっていました。彼の経験は、音楽に深みと奥行きを与え、独自のスタイルを確立することに貢献しました。

2012年には、GOMA自身を主人公とする映画『フラッシュバックメモリーズ3D』に出演。東京国際映画祭で観客賞を受賞するなど、大きな話題を集めました。その後も、音楽、絵画、講演会など、活動の幅を広げ、多方面で活躍しています。近年では、舞台公演への出演やラジオ番組への出演など、その活動は多岐にわたります。

GOMAの音楽作品は、アルバム『Timeless Tubes』、『吾』、『Million Breath Orchestra』、『Jungle Champlu』、『IN A JUNGLE』、『ENDLESS WONDERER』、『Soul of Rite』など数多く存在し、彼の音楽的探求を物語っています。12インチシングル『Vibes Vender』もリリースされています。映画への出演作には『PLANETIST』(2019年)や、2024年公開予定の『WILL』などがあります。

2016年には、自身の経験を綴った自叙伝『失った記憶　ひかりはじめた僕の世界　高次脳機能障害と生きるディジュリドゥ奏者の軌跡』を出版。高次脳機能障害と闘いながら、音楽家として、そして画家として活動を続けるGOMAの姿は、多くの人々に勇気を与え続けています。彼の生き様は、困難に立ち向かうことの大切さ、そして人生における創造性の可能性を私たちに示唆するものです。GOMAの活動は、これからも多くの人の心を動かし続けることでしょう。

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