GOOD DREAMS (the pillowsのアルバム)

the pillowsの12枚目のアルバム『GOOD DREAMS』は、バンドの多様な音楽性と進化を体現する作品です。

アルバムタイトルにもなっている「GOOD DREAMS」は、かつてthe pillowsがルースターズのトリビュートアルバムに参加した際にカバーした楽曲と同名です。これは、山中さわおが「ルースターズのファンであり、カバーもしているからこそ、確信犯的に良いだろうと思った」と語るように、彼らのルーツへの敬意と、そこから新しいものを創造しようとする姿勢を示す象徴的な一曲となっています。

また、「天使みたいにキミは立ってた」は、1994年には既にメロディーが存在していたという、非常に興味深い経緯を持つ楽曲です。当初はボサノヴァテイストで制作され、第二期と呼ばれる時期に形になったものの、第三期への移行に伴いお蔵入りとなっていました。今作に収録されているバージョンは、ロックサウンドとして再編曲・録音されたものであり、長年の時を経て新たな息吹が吹き込まれています。この曲の存在は、バンドの歴史と音楽的な変遷を物語る重要な要素と言えるでしょう。

アルバム全体のジャケットデザインは、シングル「その未来は今」に引き続き、TOMOVSKYが担当しています。彼の独特なアートワークが、アルバムの世界観をさらに深めています。

収録曲は以下の通りです。

1. xavier
2. WALKIN' ON THE SPIRAL
3. その未来は今
4. 天使みたいにキミは立ってた
5. オレンジ・フィルム・ガーデン
6. フロンティアーズ
7. ローファイボーイ, ファイターガール
8. New Year's Eve
9. BAD DREAMS
10. GOOD DREAMS
11. Rosy Head

これらの楽曲は、山中さわおが作詞・作曲を手掛けており（9曲目「BAD DREAMS」は作曲のみ）、彼の独特な感性とメロディーセンスが存分に発揮されています。

『GOOD DREAMS』は、the pillowsの過去の作品を振り返りつつ、新たな音楽性を提示する、非常に聴きごたえのあるアルバムと言えるでしょう。

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