Gboard

Gboardは、Googleが開発したAndroidおよびiOS端末向けの仮想キーボードアプリです。2016年5月にiOSで初めて提供され、同年12月にはAndroidでも利用可能になりました。このアプリは、従来のGoogleキーボードを大幅にアップデートしたもので、単なる文字入力ツールを超えた多機能なツールとして進化を遂げています。

概要

Gboardは、Google検索による検索予測を統合したウェブ検索機能、文脈に応じた予測変換機能、豊富な絵文字入力、そして多言語サポートを特徴としています。Googleキーボードからのアップデートでは、顔文字、ダークテーマ、キーボードの背景画像カスタマイズ、音声検索、手書き認識による絵文字入力などの新機能が追加されました。初期のiOS版では英語のみのサポートでしたが、数ヶ月で対応言語が拡大し、Android版リリース時には100以上の言語をサポートしました。2018年8月には、Google Playストアで10億回以上のインストールを記録し、最も人気のあるAndroidアプリの一つとなりました。

特徴

Gboardの主な特徴は、Google検索機能の統合、精度の高い予測変換、そして多様な言語への対応です。iOS版の初期リリースでは英語のみ対応でしたが、その後、急速に多言語対応が進み、2019年10月時点では916もの言語をサポートしています。さらに、フローティングキーボードやGoogle翻訳機能も搭載されています。片手モードは、Googleキーボード時代から引き継がれ、Gboardでも利用可能です。2016年8月のiOS版アップデートでは、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、スペイン語が追加され、GIF画像の挿入を提案する機能や、ダークテーマ、キーボード背景のカスタマイズが可能になりました。

2018年3月のアップデートでは、音声入力がサポートされ、クロアチア語、チェコ語、デンマーク語など16の言語が新たに追加されました。音声入力は、スペースバー上のマイクボタンを長押しする方式です。2017年4月には、インドの言語サポートが大幅に拡充され、22言語に対応しました。また、2017年6月にはAndroid版で手書き認識による絵文字入力と、フレーズ全体を予測する機能が追加され、これらの機能は後にiOS版にも導入されました。2019年3月にはオフラインでの音声認識機能が追加され、2020年2月には、複数の絵文字を組み合わせて新しい絵文字を作成できる「絵文字キッチン」機能が導入されました。

Gboard版 Google 日本語入力

Gboardには、日本語キーボードとしてGoogle 日本語入力と同じ言語変換エンジンが組み込まれています。スタンドアロン版の「Google 日本語入力」アプリとは異なり、Gboardは既存のGoogle 日本語入力アプリと共存できます。Google 日本語入力アプリのサポート終了後も、Gboardに組み込まれたGoogle 日本語入力エンジンは更新が続けられています。

経緯

• - 2017年9月20日：iOS版GboardでGoogle 日本語入力が使用可能になりました。
• - 2017年10月26日：Android版Gboard 6.7 betaにて日本語入力が利用可能になりました。
• - 2017年11月16日：Android版Gboard正式版にて日本語入力が利用可能になりました。

評価

2016年、『ウォール・ストリート・ジャーナル』は、Gboardの統合されたGoogle検索機能と予測変換エンジンを高く評価しました。特に、予測変換の精度が競合他社を凌駕し、使用するごとに賢くなる点を称賛しました。また、Gboardが単語入力時に適切な絵文字を提案する点も評価されています。ただし、デバイス上の他のアプリとの連携が不足している点や、片手モード、キーの配色やサイズ変更オプションが欠如しているため、キーボードをカスタマイズしたいユーザーには推奨できないと指摘されました。

結論

Gboardは、多機能で使いやすい仮想キーボードアプリとして、多くのユーザーに支持されています。Google検索との連携や、精度の高い予測変換、豊富な言語サポートなど、多くの利点を持つ一方で、一部カスタマイズ機能の不足やアプリ連携の課題も指摘されています。しかし、その総合的な性能は、多くのユーザーにとって非常に魅力的であり、今後もさらなる進化が期待されています。

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