Gmelinデータベース

Gmelinデータベースは、無機化合物と有機金属化合物の情報を網羅的に収録した、世界的に重要な化学データベースです。その歴史は古く、1817年にレオポルト・グメリンが著した『無機化学ハンドブック』にまで遡ります。このハンドブックを起源とし、長年にわたる継続的な整備を経て、現在では膨大な情報を集積しています。

データベースには、150万種を超える化合物と、それらに関する130万件以上の化学反応の情報が収録されています。単に化合物の存在を示すだけでなく、それぞれの化合物について、電気的性質、磁気的性質、熱的性質、結晶学的性質、生理学的性質など、実に800種類以上の多様な特性データが網羅されています。これらのデータは、世界中の研究者によって行われた膨大な実験や研究に基づいており、その信頼性は非常に高いと言えます。

さらに、Gmelinデータベースには、1772年から1995年までの間に発表された8万5000件以上の論文からの情報も取り込まれています。各論文に関するキーワードや要約も収録されているため、目的の化合物や反応に関する情報を効率的に検索することができます。そのため、新規化合物の探索や既存化合物の特性調査、反応機構の解明など、幅広い研究分野において不可欠なツールとなっています。

データベースの更新頻度も高く、年に4回更新されるため、常に最新の情報を提供し続けています。運営はエルゼビアMDL社が行っており、データベースの安定性とデータの正確性を担保しています。また、Reaxys検索システムが採用されているため、高度な検索機能を利用して、目的の情報に迅速かつ容易にアクセスできます。

Gmelinデータベースは、有機化合物を中心とした情報を網羅するバイルシュタイン・データベースと姉妹データベースという関係にあり、両データベースを併用することで、より広範な化学情報の調査を行うことができます。これら2つのデータベースは、化学研究において非常に重要な役割を果たしており、世界中の研究機関や大学で広く利用されています。例えば、アイルランドのUniversity of LimerickやMIMAS national data centerといった機関が、このデータベースへのアクセスを提供しています。

Gmelinデータベースは、単なる化合物リストではなく、化学研究の進歩に貢献する貴重な情報源です。その歴史、規模、情報量、そして信頼性から、今後も化学研究において重要な役割を果たし続けることが期待されています。

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