GnuCash

GnuCash（グヌー・キャッシュ）は、個人の家計簿管理から小規模企業の財務管理まで、幅広い用途に対応する会計ソフトウェアです。LinuxやUnix系のオペレーティングシステム上でGNOME環境で動作し、GPL（GNU General Public License）ライセンスの下で配布される自由ソフトウェアとして提供されています。macOS、BSD、Solarisなどの環境でも利用可能であり、バージョン2.2.0以降ではMicrosoft Windowsにも対応しています。

特徴

GnuCashは、特に個人の金銭管理、家計簿としての利用に重点を置いて設計されていますが、小規模企業の財務管理にも役立つように作られています。複式簿記の仕組みを採用しており、これにより、より正確で詳細な財務状況の把握が可能です。インターフェースは直感的で、初めて利用するユーザーでも比較的簡単に操作できます。

多言語対応もGnuCashの大きな特徴の一つです。アプリケーションメニューは、日本語を含む21カ国語に対応しており、ドキュメント類も英語、フランス語、ポルトガル語、スペイン語で利用できます。バージョン2.2.xでは一部日本語化が不完全でしたが、バージョン2.2.3でほぼ完全な日本語化が完了しました。また、国際通貨にも対応しており、複数の通貨を同時に管理できます。

GnuCashは、GPLライセンスに基づき配布される自由ソフトウェアであり、GNOMEアプリケーションの一つとして位置づけられています。

機能

GnuCashには、財務管理を効率化するための多くの機能が搭載されています。以下に主な機能を列挙します。

階層的な勘定科目管理: 勘定科目を階層構造で管理できるため、より詳細な分類と分析が可能です。
視覚的な資金の流れ: 円グラフや棒グラフで資金の流れを視覚的に把握できます。これにより、収支の状況を直感的に理解できます。
多通貨対応: 異なる複数の通貨を同時に管理できます。外国為替取引や海外口座の管理にも便利です。
データインポート: QIF、QFX、OFX形式のファイルをインポートできます。これにより、他の会計ソフトウェアや金融機関のデータを取り込むことが可能です。
データ保存形式: XML形式でデータを保存しますが、バージョン2.4.0以降ではSQLite3、MySQL、PostgreSQLなどのRDBMSも利用できます。これにより、より安定したデータ管理が可能です。
帳票作成機能: 貸借対照表や損益計算書などの帳票をHTML形式で生成できます。生成された帳票は、GtkHTMLまたはWebKitで表示されます。
* 為替レート・株価の自動取得: PerlのFinance::Quoteモジュールに対応した情報サービスであれば、為替レートや株価などの最新情報を自動的に取得し、データに反映させることができます。

リリース

GnuCashのリリースには、「安定版」と「開発版」の2種類があります。安定版は一般ユーザー向けに配布され、開発版は開発者向けに提供されます。リリース番号の第2番目の数字が偶数であれば安定版、奇数であれば開発版となります。安定版はバグ修正や安定性に重点が置かれ、開発版は新機能の実装やテストが行われます。

出典

公式ウェブサイト

GnuCash Wiki

SourceForge プロジェクト・ホームページ

GnuCash 利用ガイド

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