Gocco

Gocco：名刺交換から始まったSNSの軌跡

2004年、バーチャル名刺交換という斬新なコンセプトで生まれたSNS「Gocco」。その名の由来は「名刺交換ごっこ」というメタファーにあり、ユーザー同士がオンライン上で名刺を交換し、ネットワークを広げるという、当時としては画期的な試みでした。

サービス開始から拡大、そして縮小へ

ベータ版公開から正式サービス開始を経て、Goccoは順調にユーザー数を伸ばしていきました。2006年にはGocco株式会社が設立され、さらに「Goccoブックス」の提供開始など、サービスの拡充にも力を入れていました。動画投稿や閲覧サービスも提供されていましたが、2009年にはサービスの縮小を余儀なくされます。動画投稿サービスの終了、一定期間ログインがないブログやコメントの削除、アクセスのないコミュニティの削除などが行われ、サービス規模は縮小していきました。同年、携帯電話各社の公式メニューからのサービス提供も終了しました。

運営会社の変遷とサービス終了

その後、Goccoの運営は複数の企業へと移転していきました。2010年には株式会社ビッグヒット、2012年には株式会社サイトストックへと事業譲渡され、利用規約の改定が行われましたが、内容は変更されませんでした。2012年8月にはサービス終了とサイト閉鎖が予告されましたが、ユーザーからの継続要望を受け、サービスは継続されることとなりました。しかし、2013年にはGoccoに投稿された著作物を無断で電子書籍化し販売していたことが問題となり、大きな波紋を呼びました。

著作権問題とサービスの終焉

この著作権問題を機に、Goccoの運営は大きな転換期を迎えました。2015年4月、過去のログを閲覧可能な状態（リードオンリー）で残したまま、サービスは正式に終了。同年8月には、サーバーが完全に停止され、Goccoの歴史に幕を閉じました。

Goccoの機能と特徴

Goccoは、ユーザー同士の交流を促進するための様々な機能を備えていました。主な機能としては、Web名刺（プロフィール）、足あと機能、足あと帳、興味キーワードによるマッチング、メール機能、ブログ機能（静止画投稿可）、コミュニティ機能（静止画投稿可）、イベント共有機能、アンケート機能、フリーワード検索機能などが挙げられます。また、絵文字のキャリア変換やPCからの絵文字入力にも対応していました。

EMA認定外とアクセス制限

Goccoは、社団法人モバイルコンテンツ審査・運営監視機構（EMA）の認定を受けていなかったため、携帯電話各社のフィルタリングサービスによってアクセスが制限されるケースがありました。このため、一部のユーザーはGoccoにアクセスすることが困難でした。

Goccoと関連事項

Goccoは、タレントの中川翔子さんのラジオ番組「しょこたんゴッコ」とも関連があり、番組内でGoccoが紹介されるなど、メディアにも露出していました。

まとめ：Goccoが遺したもの

Goccoは、そのサービス期間中に様々な課題や問題に直面しましたが、独自のコンセプトと機能で多くのユーザーを獲得しました。名刺交換というユニークな発想から生まれたSNSは、時代の変化の中で姿を消しましたが、その歴史は、後のSNSサービスの発展に少なからず影響を与えたと言えるでしょう。Goccoが築き上げたオンラインコミュニティの在り方は、現在のSNSサービスにも受け継がれている部分も多く、その歴史的意義は大きいと言えます。

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