Google Health

Google Healthは、Googleが提供していた個人の健康記録を一元管理するサービスで、ユーザーが自身の健康情報を集約し、包括的に把握することを目的としていました。このサービスを利用することで、ユーザーは自身の健康状態、薬の服用履歴、アレルギー情報、検査結果などの医療情報を、一つのプラットフォームで管理することが可能でした。

サービスの特徴

Google Healthは、ユーザーが自身の健康情報を自主的に登録する形式を採用していました。手動で情報を入力するだけでなく、提携している医療機関や健康サービスプロバイダーのアカウントと連携することで、自動的に情報をアップロードすることも可能でした。これにより、複数の医療機関で分散していた健康記録を、Google Healthのプロフィールに集約することができました。

提供される情報としては、健康状態、服用中の医薬品、アレルギー、検査結果などが含まれ、これらの情報を基に、Google Healthは統合された健康記録を提供し、薬と体調、アレルギー間の相互作用に関する情報を提供していました。

プライバシーに関する懸念

Google Healthはオプトイン型のサービスであり、ユーザーが自ら提供した情報にのみアクセス可能でした。しかし、Google Healthは、ユーザーのプロフィール入力を推奨していたため、プライバシーに関する懸念も提起されました。

また、Google HealthはHIPAA（Health Insurance Portability and Accountability Act of 1996）の保護対象外であるため、HIPAAのプライバシー保護法は適用されませんでした。この点が、サービスに対する批判的な意見を生み出す要因となりました。

ニューヨーク・タイムズの記事では、Google Healthに対するユーザーの反応として、個人の健康情報を大手テクノロジー企業が保有することへの不安がありつつも、サービスを利用する人がいたことが指摘されています。一方、Google Healthは、人的な介入を減らすことで、従来の紙媒体の健康記録よりもプライバシー面で安全であるという主張もありました。

HIPAAの保護対象外であるというGoogleのスタンスに対して、様々な意見が出ました。一部のブロガーや専門家からは否定的な意見も出ましたが、一方で、HIPAAが適用されると、このような個人健康記録サービスは成立しないという意見もありました。

価格と収入

Google Healthは、他のGoogle製品と同様に無料で利用できましたが、広告は掲載されていませんでした。Googleは、Google Healthの収益計画を明確にはしていませんでしたが、将来的に広告を掲載する可能性も示唆されていました。

サービスの歴史

Google Healthは、2006年頃から開発が始まり、2008年にはクリーブランド・クリニックの患者1600人を対象にパイロット版が試験されました。2008年4月にはベータ版として一般公開されましたが、2012年1月2日にサービスが終了しました。

アーキテクチャとパートナー

Google HealthのAPIは、Continuity of Care Record（診療経過記録）のサブセットをベースとしていました。また、Allscripts、Anvita Health、Beth Israel Deaconess Medical Center、Blue Cross Blue Shield of Massachusettsなど、多くの医療機関や健康サービスプロバイダーと提携しており、これらのパートナーから医学情報や処方箋情報をインポートすることが可能でした。

ユーザーは、提携先のサービスを利用して健康情報を自動的に登録することもでき、MediConnect Globalのようなサービスを利用すれば、世界中の医療記録を集約することも可能でした。

関連サービス

Google Healthと競合するサービスとして、Microsoft HealthVaultやオープンソースのIndivo projectがありました。

外部リンク

Google_Health'>Google Health (Wikipedia)

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