Gothic Opera

ALI PROJECTの『Gothic Opera』は、2010年3月17日にリリースされた6作目のストリングスアルバムです。宝野アリカと片倉三起也によるユニットが生み出す、ゴシックで耽美な世界観が本作でも存分に発揮されています。

前作『Grand Finale』から約2年ぶりのストリングスアルバムとなる本作は、過去のストリングスアルバムとは異なり、新曲が6曲収録されている点が特徴です。既存曲のアレンジだけでなく、新たな楽曲をストリングスアレンジで楽しめるのは、ファンにとって嬉しいポイントでしょう。

レコーディングはパリで行われ、Paris 月光Orchestraによる演奏が、楽曲に更なる深みを与えています。ストリングスの美しい響きは、ALI PROJECTの楽曲の持つドラマティックな要素をより一層際立たせています。

収録曲は以下の通りです。

1. 月光オペラの天鵞絨の緞帳は上がり
2. 恋の翼は真珠色の骨を持ち
- Aメロにはピョートル・チャイコフスキーの『ピアノ協奏曲第1番』が引用されています。
- イントロ、Bメロにはミハイル・グリンカの『Variations On The Song Sredi Dolinï Rovnïye In A Minor』が引用されています。
3. Jeux Interdits～禁じられた遊び
- テレビアニメ『ローゼンメイデン』オープニング主題歌。
4. 私の心は語る薔薇の御胸を葩の御身を
5. エルフの娘は地上に降り
- 「父･王と娘･王女の掛け合い歌」をイメージした曲。
- サビ直前にカロル・シマノフスキの『仮面劇 ドン・ファンのセレナーデ』が引用されています。
6. Valkyrja～騎士乙女
- テレビアニメ『宇宙をかける少女』第9話エンディング主題歌
7. 百合の日々は追憶の中に潜み薫る
- 宝野曰く「バロック風少女歌唱」
- 間奏にアントニオ・ヴィヴァルディの『ヴァイオリン協奏曲集《四季》 第2番 「夏」第3楽章』が引用されています。
8. La Rose de la Reine～薔薇獄乙女
- テレビアニメ『ローゼンメイデンオーベルテューレ』オープニング主題歌。
9. Gothic Opera(instrument)
10. Adieu
- グスタフ・マーラーの交響曲第5番第4楽章のカバー

収録曲からもわかるように、本作はクラシック音楽からの影響を強く受けており、チャイコフスキー、グリンカ、シマノフスキ、ヴィヴァルディ、マーラーといった作曲家の楽曲が引用されています。これらの引用は、ALI PROJECTの楽曲に独特の深みと奥行きを与え、聴く者を魅了します。

参加ミュージシャンは以下の通りです。

作詞：宝野アリカ（M1-M8,M10）
作曲：片倉三起也（M1-M9）、Gustav Mahler（M10）
編曲：平野義久（M1-M7）、渡辺剛(M8-M10）
Vocals：宝野アリカ
Violin：渡辺剛、杉野裕
Strings：Paris 月光Orchestra
* Orchestra leader：平野義久

『Gothic Opera』は、ALI PROJECTの音楽性を深く理解するための重要な作品であり、ゴシックな世界観とクラシック音楽の融合を堪能できる一枚です。

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