Gunicorn

Gunicorn（Green Unicorn）は、Pythonで記述されたWeb Server Gateway Interface（WSGI）に対応したHTTPサーバーです。RubyのUnicornプロジェクトに着想を得ており、プリフォークモデルによるワーカー管理方式を採用しています。このアーキテクチャは、リクエスト処理を複数のワーカープロセスに分散させ、効率的な同時実行を実現します。発音は「ジーユニコーン」または「ガン・アイ・コーン」とされています。

アーキテクチャ

Gunicornのアーキテクチャは、主に以下の要素で構成されます。

Central Master Process: ワーカープロセスの生成と管理を一元的に行う中核となるプロセスです。アプリケーションのリクエストを監視し、ワーカープロセスを適切に制御します。
ワーカープロセス: 実際のHTTPリクエストを処理するプロセスです。各ワーカーは独立して動作し、複数のリクエストを並行して処理することが可能です。これにより、高い同時接続性とスループットを実現します。

コンポーネント

Gunicornには、様々なタイプのワーカーが用意されており、アプリケーションの要件に応じて選択できます。

Master: 前述の中央管理プロセスであり、ワーカーの起動、停止、状態監視を行います。
Syncワーカー: 同期的な処理を行うワーカーです。リクエストを順次処理するため、シンプルで扱いやすい反面、ブロッキングが発生しやすいという特徴があります。
Asyncワーカー: 非同期的な処理を行うワーカーです。ノンブロッキングI/Oを利用し、多数のリクエストを効率的に処理できます。特にI/Oバウンドな処理が多い場合に有効です。
Tornadoワーカー: Tornadoフレームワークと統合するためのワーカーです。Tornadoの非同期機能を利用して、高スループットな処理を実現します。
AsyncIOワーカー: Python 3.4で導入されたasyncioライブラリを利用するためのワーカーです。async/await構文を使用し、モダンな非同期プログラミングをサポートします。

特徴

Gunicornは、多くの開発者に選ばれる理由となる様々な特徴を備えています。

広範なフレームワークサポート: WSGIをネイティブにサポートしており、web2py、Django、Pasterといった主要なWebフレームワークと容易に連携できます。
自動的なワーカー管理: マスタープロセスがワーカーの起動、停止、再起動を自動的に管理します。これにより、開発者はインフラストラクチャの管理に煩わされることなく、アプリケーション開発に集中できます。
シンプルな設定: 設定はPythonスクリプトとして記述でき、シンプルで分かりやすいです。これにより、複雑な設定ファイルに悩まされることなく、簡単にサーバーをカスタマイズできます。
複数のワーカー構成: アプリケーションの負荷に応じて、複数のワーカーを設定できます。これにより、高いスケーラビリティを確保し、大量のリクエストを効率的に処理できます。
拡張性: さまざまなサーバーフックが用意されており、Gunicornの動作をカスタマイズできます。これにより、特定の要件に合わせてサーバーを拡張できます。
幅広いPythonバージョン対応: Python 2.6以降およびPython 3.2以降のバージョンに対応しており、様々な環境で利用できます。

関連項目

Webサーバーソフトウェアの比較
アプリケーションサーバーの比較

外部リンク

Gunicorn公式ウェブサイト

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