H&K SR9

H&K SR9は、ドイツの銃器メーカーであるH&K社が開発した民生用自動小銃です。この銃の名称にある「SR」は「Sporting Rifle（スポーツ用ライフル）」の略称であり、その名の通り、民間市場での利用を目的として設計されました。

開発背景
SR9は、アメリカの銃器市場を主なターゲットとして開発されたH&K G3の派生モデルの一つです。元々は、G3の民生用モデルとして販売されていたHK41/91小銃を、1989年に施行された銃規制に適合させる形で再設計したものです。生産はアメリカ国内で行われました。これにより、アメリカの銃規制下でも販売可能なスポーツライフルとして位置づけられました。

特徴
標準モデルであるSR9は、サムホールストックや丸みを帯びたハンドガードが外見上の大きな特徴です。トリガーグループには、PSG1狙撃銃のものを原型としながらも、より速射性能を抑えたものが採用されています。これは、スポーツ射撃での精度を重視した設計と言えるでしょう。

派生モデル
SR9には、いくつかの派生モデルが存在します。

SR9(T): 精密射撃モデルの一つで、「T」は「Target」を意味します。このモデルは、PSG1狙撃銃と共通のグリップおよびトリガーグループ、MSG90狙撃銃と共通のストックを備えているのが特徴です。より高い射撃精度を追求したモデルと言えます。
SR9(TC): さらに高級な精密射撃モデルで、「TC」は「Target Competition」を意味します。このモデルでは、グリップ、トリガーグループ、ストックが全てPSG1狙撃銃と共通のものとなっており、競技射撃での性能を最大限に引き出す設計がされています。

注意点
H&K SL9SDという製品も存在しますが、これはSR9とは全く異なる設計の民生用小銃SL8（H&K G36の民生用モデル）の派生モデルです。SR9と混同しないように注意が必要です。

登場作品
SR9は、その特徴的な外見と性能から、いくつかの映画作品にも登場しています。

『ヒート』: 映画では、SWATがニール・マッコーリーらの監視に使用するシーンで登場しています。
『暴走特急』: テロリストの一員である女傭兵パティマが、主人公ケイシー・ライバックに対して使用しており、独特な仕様のスコープが装着されているのが特徴です。彼女の装備の一部として、SR9の存在感を示しています。
『山猫は眠らない』: 主人公の相棒を務めるミラーが使用しています。狙撃銃としての性能を活かした場面で活躍していると言えるでしょう。

関連項目
自動小銃
H&K
H&K G3
H&K PSG1

外部リンク
hkpro.com: The SR9 Series (englisch)

このように、H&K SR9は、G3をベースとした民生用モデルでありながら、その高い性能と特徴的な外見から、多くのユーザーに愛され、映画などのメディアにも登場する人気の銃器の一つです。

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