HC CSKAモスクワ

CSKAモスクワ：ロシアのアイスホッケー名門

CSKAモスクワ（正式名称：Профессиональный Хоккейный клуб ЦСКА Москва）はロシアの首都モスクワを拠点に活動するアイスホッケークラブで、その歴史は1946年に遡ります。クラブ名の「CSKA」は「チェスカ」と発音され、「中央陸軍スポーツクラブ」の略称を表しています。このクラブは、アイスホッケーのみならず、サッカーやバスケットボールでも卓越したパフォーマンスを見せており、ロシア国内で非常に高い評価を受けています。

沿革

CSKAモスクワは、第二次世界大戦後の1946年に創立され、最初の名称はCDKA（ツェー・デー・カー、赤軍中央会館）でした。初期にはアナトリー・タラソフやフセヴォロド・ボブロフといった選手が活躍しており、彼らは後にソ連の代表監督や選手としても名を馳せます。その後、1951年に名前をCDSA（ツェー・デー・サー、ソヴィエト軍中央会館）に変更し、1954年にはCSK MO（国防省中央スポーツクラブ）となり、1959年に現在のCSKAという名称に固定されました。

クラブの特徴

ソ連時代、CSKAの選手たちは実際にはプロ選手ではなく、軍や警察、その他国営企業に所属していました。これはソ連では「プロスポーツが存在しない」という建前があったためです。そのため、五輪制度が厳しい時代でも、ソ連の選手たちはオリンピックに参加できました。この背景が、選手たちが「アルメイツィ（軍人）」という愛称で呼ばれる理由の一つでもあります。現在では名目上はプロ選手となりましたが、クラブの伝統は今も生き続けています。

また、ホームゲームではしばしば軍楽隊が演奏され、特有の雰囲気を醸し出します。CSKAのファームチームとして、ロシア軍の象徴である「ズヴェズダ（星）」や、ジュニアホッケーリーグの「クラスナヤ・アルミヤ（赤軍）」などのチームが存在しています。

シンボルとライバル関係

クラブのシンボルである赤い星は、ソ連軍を連想させるもので、CSKAモスクワのアイデンティティの一部となっています。KHLリーグにはSKAサンクトペテルブルクという、同じく軍を母体としたクラブも存在し、両者の対戦は「アーミー・ダービー」として特に注目され、多くのファンがその対決を楽しみにしています。

成績

CSKAモスクワは、ソ連リーグの時代において非常に多くのタイトルを獲得しています。具体的には、ソ連リーグでは32回、ソ連カップでは12回の優勝を誇ります。また、KHLではガガーリン・カップを2回制覇し（2019年、2022年）、さらには欧州チャンピオンズカップでも20回のタイトルを得ています。これらの成績は、CSKAモスクワをロシアのアイスホッケー界で最も成功したクラブの一つに押し上げています。

CSKAモスクワはその歴史を通じて数多くの伝説的な選手を輩出し、今でもアイスホッケーの世界において重要な位置を占めています。

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