HPQ (エイベックスのレコードレーベル)

HPQ：エイベックスのヴィジュアル系レーベルとその歴史

エイベックス・グループが2010年に設立したレコードレーベル、HPQ（エイチピーキュー）は、その活動期間を通じて独自の軌跡を残しました。

HPQの設立目的やポリシーは公式には明らかにされていませんでしたが、当初はヴィジュアル系アーティストを主要な対象としていました。しかし、レーベルの活動範囲はヴィジュアル系にとどまらず、様々なジャンルのアーティストや作品を世に送り出しました。

レーベル設立以前から、一部所属アーティストの作品にはHPQのロゴが使用されており、その存在感は徐々に高まっていきました。

HPQの第1弾作品は、GACKTのシングル「EVER」でした。その後、CDにはYICQ、DVDにはYIBQ、Blu-rayにはYIXQ、その他特殊商品にはYIZQという規格番号が用いられ、数字部分は作品ごとに連番で割り当てられていました。

エイベックス・トラックスに所属していた多くのヴィジュアル系アーティストがHPQに集約された他、他レーベルからの移籍アーティストも多数所属しており、レーベルの勢力を拡大していきました。特に2011年から2012年にかけては、VOCALOID関連作品も多くリリースされ、レーベルの活動は多角化を遂げました。

HPQのロゴは「h」「P」「Q」の3文字を組み合わせたデザインが特徴的で、多くのファンに親しまれました。

しかし、2014年4月以降はナイトメアのみが作品を発表するようになり、事実上ナイトメアのプライベートレーベルのような状態になりました。

そして2024年、最後に所属していたアーティストである浅葱が、Dの無期限活動休止後、別のレーベルから作品をリリースしたことで、HPQは事実上消滅しました。

所属アーティスト

HPQには様々なアーティストが所属していましたが、特に多くのファンに知られているのは、ヴィジュアル系シーンで活躍するアーティストたちです。また、VOCALOID関連の作品も多数リリースしており、その活動は多岐に渡っていました。コンピレーションアルバムもリリースされており、多様な音楽性が集結したレーベルでした。

規格番号と特記事項

SOPHIAのシングル『cod-E 〜Eの暗号〜』は、当初HPQからのリリースが予定されていましたが、ディレクターの意向によりエイベックス・トラックスからリリースされることになりました。そのため、商品にはYICQというHPQの規格番号が付されたまま、リリースされました。これは移籍時の手続き上の都合によるもので、レーベル変更にもかかわらず、規格番号が変更されずに残された珍しい事例です。

また、Jもエイベックス傘下のアーティストでしたが、Jが所属していたのはcutting edgeレーベルでした。これは、エイベックス内にも複数のレーベルが存在し、アーティストの所属は各レーベルによって異なっていたことを示しています。

まとめ

HPQは、短期間ながらもヴィジュアル系シーンに大きな影響を与えたレーベルでした。その活動は、アーティストの移籍やレーベルの再編といった音楽業界のダイナミズムを反映しており、音楽史における興味深い一頁を刻んでいます。 HPQの歴史は、音楽業界におけるレーベルの役割や、アーティストとレーベルの関係性を考える上で貴重な事例と言えるでしょう。 また、ロゴデザインや規格番号といった細部にもこだわりが見られ、レーベルとしてのアイデンティティを強く感じさせます。 HPQが消滅したとはいえ、その活動は多くのアーティストやファンの記憶の中に生き続けています。

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