HTC (企業)

HTC Corporationの概要

HTC Corporation（エイチ・ティー・シー・コーポレーション）は、台湾を拠点とするスマートフォンおよび携帯情報端末（PDA）の製造を行う企業です。2006年に設立された日本法人、HTC NIPPONを通じて、日本市場にも多くの端末を供給しています。HTCは、Windows MobileやAndroidといった多様なオペレーティングシステムを搭載した端末を展開し、世界中の消費者にアプローチしています。かつては「ハイ・テック・コンピューター・コーポレーション」という名前で知られていました。

CI（コーポレート・アイデンティティ）とキャッチフレーズ

HTCは2009年以降、「quietly brilliant」をスローガンに掲げており、これは「謙虚で寡黙な思想家であれ」という意味合いを持っています。このフレーズは同社のウェブサイトやテレビCMで採用されており、ブランドイメージの構築に寄与しています。2013年以降は「Here's to Change」という新しいキャッチフレーズも使用され、俳優ロバート・ダウニー・Jrがその象徴的なキャラクターとして起用されてきました。

歴史と成り立ち

HTCの歴史は1997年に遡ります。同年、王雪紅（現会長）や周永明（現CEO）らによって設立されました。初期はPalmやヒューレット・パッカードの製品を製造し、急成長を遂げました。2008年には世界初のAndroidスマートフォンであるHTC Dream（T-Mobile G1）を発売し、これを契機にスマートフォンブームに乗って市場シェアを拡大しました。日本市場向けには2009年にHT-03Aを発表し、ブランド認知度が向上しました。

特許訴訟と競争

しかし、2010年にはAppleから特許侵害の訴訟を起こされます。特にアメリカ合衆国においてマルチタッチに関する特許を含む20件以上の特許が問題視されました。この訴訟が進む中、HTCの株価は影響を受け、特許紛争は同社の経営に大きな影響を与えました。2012年には和解が成立し、特許利用契約が結ばれたことで一段落しましたが、競争は依然として激化しました。

グローバルな地位と製品ライン

2010年には、スマートフォン製造メーカーとして世界第4位にまで成長し、2011年にはノキアを時価総額で上回るほどの存在感を示しました。しかし、2012年以降は競争の激化による販売苦戦が続き、株価の著しい低下や製品供給の不足、さらには幹部の逮捕といった問題も影を落としました。

その後、HTCは新たな戦略としてVRヘッドセットであるViveシリーズへの注力を始めました。これにより、ゲーム市場やエンターテインメント分野でも存在感を示しています。

最新の展開

2022年には新機種のスマートフォン、Desire 22 proを発売することが発表され、約4年ぶりの新モデルの登場を果たす等、いまだ革新を続けています。HTCは今後も新技術の導入を進めることが期待されており、市場競争においてどのような戦略を展開していくのか注目が集まっています。

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