HUMANIA

NICO Touches the Wallsの4thアルバム『HUMANIA』：新たな挑戦と進化の軌跡

2011年12月7日、日本のロックバンドNICO Touches the Wallsが4枚目のオリジナルアルバム『HUMANIA』をリリースしました。前作からわずか8ヶ月という短いスパンでの発表は、バンドの旺盛な創作意欲と精力的な活動を象徴しています。ボーカルの光村龍哉は、制作開始当初から2枚のアルバムを構想していたことを明かしており、この『HUMANIA』はその計画に基づいた作品と言えるでしょう。

今作の大きな特徴として、光村以外のメンバーが初めて作詞に参加している点が挙げられます。これまでは光村が作詞をほぼ独占していましたが、『HUMANIA』では、坂倉心悟が「Endless roll」で単独作詞・作曲に挑戦。さらに、複数の楽曲で光村との共作にも名を連ねています。これにより、バンド全体の音楽性への貢献がより明確になり、多角的な視点が反映された作品となりました。

アルバムは初回生産限定盤と通常盤の2形態で発売され、初回生産限定盤にはミュージックビデオなどを収録したDVDが付属しています。オリコンアルバムチャートでは、初登場10位を獲得。バンドにとって初のトップ10入りを果たし、その人気と実力を改めて証明しました。

楽曲群はバラエティに富んでおり、NICO Touches the Walls特有のダイナミックなサウンドと、繊細なメロディーラインが共存しています。リードトラックとしてMVが制作された「バイシクル」は、テレビ朝日系列の金曜ナイトドラマ『11人もいる!』の主題歌に起用され、大きな話題を呼びました。また、「フェイス・トゥ・フェイス」は映画『スイッチを押すとき』の主題歌として使用されました。

さらに、9thシングルとして既にリリースされていた「手をたたけ」も収録されており、アルバムバージョンとシングルバージョンの2パターンを楽しむことができます。アルバムバージョンでは、シングル版で加えられていたストリングスやホーンアレンジが省かれ、よりライブに近い、バンドの生々しい演奏が堪能できます。

『HUMANIA』は、NICO Touches the Wallsの新たな一面を示す、充実した内容のアルバムです。メンバー個々の才能が開花し、バンドとしての成熟度も増した、彼らの進化の過程を示す重要な作品と言えるでしょう。多様なサウンドと多彩な楽曲、そしてメンバーの新たな挑戦が凝縮された、聴き応えのある一枚となっています。初回盤に付属のDVDには、アコースティックライブの様子が収録されており、バンドの音楽を多角的に楽しむことができるのも魅力です。様々な楽器やアレンジメント、そして豪華なゲストミュージシャンたちの参加も、このアルバムの聴きどころの一つと言えるでしょう。

このアルバムは、NICO Touches the Wallsの音楽的成長と、バンドメンバーそれぞれの個性を際立たせた作品として、高く評価されています。長年のファンはもちろん、初めてNICO Touches the Wallsに触れるリスナーにとっても、魅力的な作品であることは間違いありません。

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