HamaPatch

hamaPatch（はまパッチ）は、かつて存在した無料のスプラインベースのパッチモデラーソフトウェアです。このソフトウェアは、特に3DCG分野において、高度なモデリング技術を必要とするユーザーの間で注目を集めていました。

技術的背景

hamaPatchは、Hash社が開発した3DCGソフトウェア「Animation:Master」で使用されていたパッチ技術（Hash Patch）を基盤としています。この技術は、複雑な曲面を効率的にモデリングするためのもので、滑らかで精密な形状を作り出すのに適していました。

sPatchとの関係

hamaPatchは、同じくHash Patchを採用していたモデリングソフトウェア「sPatch」の後継として位置づけられていました。sPatchは当時、その独特なモデリング手法で一定の評価を得ていましたが、hamaPatchは、その技術をさらに発展させ、より使いやすく、高度な機能を備えたソフトウェアを目指していました。

機能と特徴

hamaPatchの大きな特徴の一つは、POV-Ray形式へのエクスポートに対応していた点です。これにより、モデリングした3Dオブジェクトを、POV-Rayレンダラーで高品質な画像として出力することが可能でした。この機能は、特にCGレンダリングにこだわりを持つユーザーにとって大きな魅力でした。

Laputaの開発と未リリース

hamaPatchのシェアウェア版として「Laputa」というソフトウェアが開発されていました。Laputaは、hamaPatchの機能をさらに拡張し、商業レベルでの利用を想定したものでした。しかし、残念ながらLaputaはリリースされることなく、プロジェクトは終了しました。

関連ソフトウェア

JPatch
Hash Patchを採用したオープンソースのモデリングソフトウェアです。hamaPatchと同様に注目を集めましたが、バージョン0.5でSubdivision Surfaceに移行し、パッチベースのモデリングから方向転換しました。

総括

hamaPatchは、その高度なモデリング技術と無料での提供という点で、当時の3DCGモデリングの世界において独自の地位を築いていました。シェアウェア版であるLaputaの未リリースは残念でしたが、hamaPatchは、その技術的な遺産と、3DCGモデリングの歴史における一つの興味深い事例として、記憶されるべきソフトウェアと言えるでしょう。

[外部リンク]
Upper extremity modelling with Spatch and HamaPatch

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