How many いい顔

郷ひろみ「How many いい顔」：時代を彩った一曲

1980年7月21日、郷ひろみ35枚目のシングル「How many いい顔」がリリースされました。この楽曲は、当時、化粧品メーカー『カネボウ』の秋のキャンペーンソングとして制作されました。

タイトルの『How many いい顔』は、通常疑問文として用いられる表現ですが、楽曲タイトルにはクエスチョンマークは付されていません。この独特のタイトルが、当時大きな話題を呼び、人々の記憶に強く刻まれることとなりました。キャッチーなメロディーと、郷ひろみの魅力的な歌声が見事に融合したこの曲は、夏の終わりを告げる季節感を漂わせる、ノスタルジックなムードを醸し出しています。

楽曲は、作曲を網倉一也氏、編曲を萩田光雄氏が担当し、作詞はA面「How many いい顔」が阿木燿子氏、B面「Trick」が網倉一也氏と、豪華な制作陣によって生み出されました。

ジャケット写真は、著名な写真家である田村仁氏が手掛けました。田村氏の洗練されたセンスが光る、郷ひろみの魅力を引き出す一枚となっています。ジャケット写真からも、楽曲の世界観が伝わってくるようです。

シングルには、A面「How many いい顔」(3分03秒)と、B面「Trick」(3分36秒)の2曲が収録されています。「How many いい顔」の軽快なリズムとメロディーは、聴く者の心を明るくし、爽やかな気分にさせてくれます。一方、「Trick」は、A面とは異なる雰囲気を持つ、聴き応えのある楽曲です。

「How many いい顔」は、日本国内だけでなく、海外でも高い評価を受けています。香港の著名歌手、レスリー・チャンは1983年に広東語詞でカバーし、自身のアルバム『一片癡』に収録しました。このカバーは、レスリー・チャンの歌唱力と、楽曲そのものの魅力が融合し、新たな魅力を生み出しています。また、韓国の女性グループCANも2002年にアルバム『Vacation』の中で「Icy Woman」というタイトルでカバーしています。

このように「How many いい顔」は、時代を超えて愛され続ける名曲として、多くの音楽ファンに親しまれています。郷ひろみの代表曲の一つとして、日本の音楽史にその名を刻んでいると言えるでしょう。楽曲に込められたメッセージ、そして時代背景を考えながら聴くと、より深い感動が得られるはずです。当時を知る世代にとっては、懐かしさとともに、青春時代の記憶がよみがえる一曲となっていることでしょう。

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