I WISH (モーニング娘。の曲)

I WISH

『I WISH』は、モーニング娘。の10枚目のシングルで、2000年9月6日にリリースされました。この作品は、市井紗耶香の卒業を経て10人の新たな体制で迎えた初のシングルでもあり、グループにとって大きな節目となった曲です。

この楽曲は、特に4期生の辻希美と加護亜依のために書かれたとも言われており、『I(愛) WISH(希望)』という解釈が広まっていますが、実際には作曲者のつんく♂がそれを否定しています。リリース時には、初回生産分のみブックレット仕様となっていました。また、このシングルから薄型のマキシCDケースから従来のアルバムCDケース（ジュエル・ケース）へと切り替わっています。

楽曲自体は、これまでのダンス☆マンによる編曲とは異なり、メジャーコードを使ったミディアムテンポのスタイルです。イントロなしのゴスペル調から始まり、サビに入るとテンポが上がるヒップホップの要素も取り入れられています。歌詞は恋愛をテーマにしたものからシフトし、「人生」をテーマにする内容となっているのが特徴的です。

メインボーカルを務めたのは後藤真希で、これは4期生にとって初めてのボーカル担当となりました。対して、1期生と2期生の安倍なつみらがバックボーカルとしてユニゾンを奏でる様子もうかがえます。

本楽曲は、TBSの『シドニー五輪』テーマソングとしても起用され、さらにテレビ東京系の「アイドルをさがせ！」のオープニングテーマにもなり、その後エンディングテーマとしても使用されました。

ミュージックビデオは、年齢や性別、職業が異なる多様な人々が、それぞれの夢を持って集まる様子を描いたミュージカル風の構成が印象的です。この映像は『映像ザ・モーニング娘。2〜シングルVクリップス〜』に収録されており、矢口真里が主役を務める冒頭の約3分の物語も含まれています。

辻希美、加護亜依、石川梨華、吉澤ひとみなどのメンバーがそれぞれ卒業する際には、ほぼソロでこの曲が歌われました。また、2022年にはモーニング娘。として21年半ぶりに新録バージョンがリリースされ、テレビ東京の『真夜中にハロー!』エンディングテーマとしても使用されました。リリース日には、モーニング娘。'22名義での発表となり、オリジナルバージョンからオーケストラのアレンジを加えたものとされています。

収録曲は全てつんくによる作詞・作曲で、編曲は河野伸が担当しています。シングルには「I WISH」の他に「憧れ My Boy」や「I WISH (Instrumental)」も含まれています。

参加するメンバーの顔ぶれは多様で、1期から4期のメンバーが出揃い、シングルの魅力をさらに引き立てています。楽曲のアンサンブルには、様々なミュージシャンが加わり、音楽的にも豊かな層を持っています。

このシングルは、ファンの間でも長年愛され続けており、バージョンやカバーも多様に存在します。後藤真希や他のアーティストによるカバーもたくさん発表されており、彼女たちが残した影響の深さを物語っています。

『I WISH』は、単なるシングルにとどまらず、短い楽曲の中に込められた願いや希望、人生への思いを届けてくれる重要な作品と言えるでしょう。

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