I for You

シングル『I for You』について

『I for You』は、1998年7月1日にリリースされたLUNA SEAの11枚目のシングルである。このシングルは、活動再開後の連続リリースの3作目として位置づけられ、特にフジテレビ系ドラマ『神様、もう少しだけ』の主題歌として人気を博したことが特徴的である。年末には『第49回NHK紅白歌合戦』にも出場し、これがLUNA SEAにとって初めての紅白出場となった。

ドラマがアジアで放送されたことも影響し、LUNA SEAはその名をアジア地域に広めることとなった。このことは、彼らの1999年に行われた「FIRST ASIAN TOUR」への足がかりともなった。また、シングルの制作中にはメンバーのhideが他界し、彼の逝去がメンバーの思いに深い影を落としたことも印象深いエピソードである。週刊チャートでは2位を獲得し、売上は48.9万枚を記録した。

収録曲の解説

I for You

この曲の原曲は、アルバム『EDEN』の頃から存在していたもので、ストリングスアレンジも当時から考えられていた。ただし、「まだこの壮大な曲は早すぎる」との理由で、何度も収録を見送られていた。ドラマの主題歌としての話が持ち上がった際に、この曲が再び注目され、ボーカルのRYUICHIによってメロディが大幅に改良された。この曲を通じて、SUGIZOは「美しいメロディだけれども、汚れたギターサウンドを表現したい」と話していた。

制作中、hideが他界したため、SUGIZOとRYUICHIは彼へのメッセージソングとしての視点で歌詞を解釈したとされている。また、ストリングスアレンジはSUGIZOが独自にマッキントッシュを使用して行われ、特にチェロにはSUGIZOの母親が参加しているというエピソードもある。これに関しては、音楽のプロセスにおける家族のつながりを感じさせる瞬間である。曲が放送された2000年には、ラジオ番組『aikoのオールナイトニッポン』で、RYUICHIとSUGIZOがaikoと共にアコースティックギターのセッションを行う場面も見られた。

WITHIN

この曲もまた、アルバム『MOTHER』の時期から存在し、何度も収録が見送られていた曲である。曲の最後には時計の針の音を効果音として用いており、これは同じくアルバム『SHINE』に収録されている「Time Has Come」の冒頭部分にも使用されており、アルバム間のつながりを強調している。

収録アルバムとカバー

『I for You』は、複数のアルバムに収録されている。主なものとして、『SHINE』、または『LUNA SEA COMPLETE BEST』などがあり、ファンにとってはおなじみのトラックとして愛され続けている。また、この曲は河村隆一や森重樹一、エリック・マーティンなどによってカバーされ、更なる魅力を引き出している。特に2006年にはRYUICHIが自身のソロカバーアルバムで再制作し、ファンから高い評価を得ることとなった。

このように『I for You』は、LUNA SEAの音楽活動における重要な位置を占める楽曲として、様々な背景とメッセージが込められている。

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