Iショット

iショットとは

iショットは、NTTドコモのiモードメールで利用できた画像送受信サービスです。カメラ付き携帯電話で撮影した写真をメールで送受信することを可能にしました。2002年6月にmova初のカメラ付き携帯電話端末「SH251i」の発売と同時にサービスが開始されました。

サービス開始の背景

iショットが登場する以前のmovaでは、iモードメールで画像の送受信はできませんでした。画像を共有するには、WebサーバーにアップロードしてURLをメールで知らせる必要がありました。これは、テキストのみの送受信に限定されていたmovaのiモードメールの仕様によるものです。

一方、FOMAでは当初から画像の添付メールが可能であり、マルチメディアを求めるユーザーをFOMAへ誘導する狙いがありました。しかし、当時のFOMA契約者数は伸び悩んでおり、多数の契約者を抱えるmovaでも画像付きメールの必要性が高まっていました。このような背景から、movaでも画像送受信を可能にするiショットが導入されました。

iショットの仕組み

movaの場合

movaにおけるiショットは、送信者がiショット対応機種で撮影した画像を「iショットメール」として送信すると、iショットセンター（現在はiモードセンターに統合）に画像が送られます。iショットセンターは、受信者へメール本文と画像のURLを通知し、受信者はそのURLから画像を確認・保存します。画像は送信から10日間保管されます。

FOMAやPC、他キャリアの携帯電話などからmovaへ送信する場合は、同様にiショットセンターに画像が保管され、mova宛にはメール本文と画像のURLが送られます。movaからこれらの端末へ送信する場合は、iショットセンターを経由しますが、受信者側は直接画像付きメールを受け取ったように見えます。

movaのiショットメールは、パケット通信ではなく回線交換方式で通信するため、通信時間に応じて料金が課金される点に注意が必要です。

FOMAの場合

FOMAのiショットは、通常のメールと同様にパケット通信で送受信され、パケット量に応じて料金が課金されます。10キロバイトまでの画像ファイルは直接メールに添付されますが、送信先がmovaの場合はmovaの場合と同様にiショットセンターを経由します。10キロバイトを超えるファイルは機種によって上限が異なり、大容量メール対応機種では5メガバイトまで対応します。

初期のFOMA端末では10キロバイト以上のファイルを送受信できず、movaのiモードと同様に添付ファイルが削除されていました。デコメールやHTMLメール対応機種では、本文内に画像を貼り付けて送信することも可能です。

スナップメールとの関係

iショットと似たサービスとして「スナップメール」がありました。スナップメールは、ドコモが発売した小型デジタルカメラ「キャメッセ」や「キャメッセボード」専用のサービスで、iモードメール宛に画像付きメールを送信できました。スナップメールは独自の通信プロトコルを使用し、画像は専用サーバーで一時保管されていました。

iショットやFOMAの普及、キャメッセユーザーの減少により、2004年にスナップメールのサービスは終了しました。

その他の情報

• - iショットの仕組みは、後の「iモーションメール」やデコメールの技術に応用されました。
• - iショットメールの送信時には、iモードメールのパケット通信ではなく回線交換方式で通信されます。
• - auやTU-KA宛に送信した場合は、画像がPNG形式に変換される等の機能があります。
• - サービス開始当初、FOMAの画像メールは単に「（FOMA）画像メール」と呼ばれており、後にiショットに改名されました。

これらの情報から、iショットはmovaとFOMAで異なる仕組みを採用し、それぞれの環境に合わせた画像送受信を実現していたことがわかります。また、スナップメールのような先駆的なサービスが、iショットの開発に影響を与えていたことも見て取れます。

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