IBATIS

iBATISは、SQLクエリをJavaのPOJO（Plain Old Java Object）にマッピングする永続性フレームワークです。このフレームワークの最大の特徴は、SQLクエリをXMLファイルに記述することで、アプリケーションのコードからSQLを分離できる点にあります。これにより、データベースへのアクセスに必要な大量のJavaコードを大幅に削減することが可能になります。

具体例として、`PRODUCT`というテーブル（`PRD_ID`: INTEGER, `PRD_DESCRIPTION`: VARCHAR）と、Javaのオブジェクト`com.example.Product`（`id`: int, `description`: String）が存在する場合を考えてみましょう。`Product`オブジェクトに特定の`PRD_ID`に対応する`PRODUCT`テーブルのデータを格納するためには、以下の設定をXML SQLマップに記述します。

xml

SELECT PRD_ID as id, PRD_DESCRIPTION as description
FROM PRODUCT
WHERE PRD_ID = #value#



上記の例では、`#value#`はクエリに渡される`Long`型の値を指します。もしパラメータがJavaオブジェクトである場合は、そのオブジェクトのプロパティから値を取得し、同様の`#`記法でクエリに埋め込むことができます。例えば、パラメータクラスが`com.example.Product`で、`id`というプロパティを持つ場合、`#value#`を`#id#`に置き換えることができます。

以下は、パラメータを設定して結果をオブジェクトに格納するJavaコードの例です。

java
Long productId = 123L;
Product product = (Product) sqlMapClient.queryForObject("getProduct", productId);


このコードでは、`sqlMapClient`は`com.ibatis.sqlmap.client.SqlMapClient`のインスタンスです。このようにiBATISを用いることで、SQLとJavaコードを分離し、可読性が高く、保守しやすいコードを記述することが可能となります。

しかしながら、iBATISの開発者たちはJava 5のリリースに失望を表明しており、2006年12月のバージョン2.3.0のリリース後、2008年4月に2.3.1と2.3.2がリリースされるまで、長い時間を要しました。この遅延は、Java 5への失望と無関係ではないと考えられます。

さらに、2010年6月16日には、公式サイトを通じてApacheソフトウェア財団での活動を中止し、プロジェクトをフォークし、開発者が移籍することが発表されました。このフォークによって誕生した新たなプロジェクトがMyBatisです。

関連する技術として、同様の永続性フレームワークであるHibernateや、Javaアプリケーション開発に広く用いられるSpring Frameworkなどがあります。

関連情報

iBATIS @ Apache Foundation
MyBatis

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