IBM Works

IBM Worksは、IBMが開発したOS/2オペレーティングシステム用のオフィススイートです。このスイートには、ワープロ、表計算、チャート（グラフ）、データベース（カード型[[データベース]]）、そしてレポートライター（レポート作成ツール）という、ビジネスシーンで必要とされる主要なアプリケーションが統合されていました。

IBMは、当時競合していたMicrosoft Windows向けのMicrosoft Worksと比較して、IBM Worksがより多くの機能を提供すると主張していました。また、IBM Works PIM（Personal Information Manager）という、情報管理を目的としたアプリケーションも存在しましたが、これは厳密にはIBM Worksファミリーに属するものの、独立したソフトウェアとして扱われていました。

IBM WorksのルーツはイギリスIBMにあり、当初はカナダのFootprint社によって「Footprint Works」として販売されていました。その後、1994年にOS/2 Warp バージョン3のボーナスパックに収録される形で、広く利用されるようになりました。このボーナスパックは、製品としてのサポートは提供されないものの、OS/2ユーザーが無償で利用できるソフトウェア集として提供されました。

IBM Worksは、OS/2専用に開発されたため、Windowsからの移植ソフトウェアとは異なり、OS/2のワークプレースシェル(WPS)との親和性が非常に高く、ドラッグ＆ドロップや右クリックなどの直感的な操作を初期段階からサポートしていました。また、日本語版も提供され、OS/2日本語環境のユーザーにも快適な使用感を提供していました。

しかしながら、オフィススイート市場はMicrosoft Officeなどの寡占化が進み、OS/2自体もデスクトップOSとしての普及が伸び悩みました。さらに、1995年にIBMがロータスを買収したことにより、IBMの標準オフィススイート製品はLotus SmartSuite（日本ではロータス・スーパーオフィスとして知られています）に一本化されることとなり、IBM Worksは市場から姿を消すことになりました。

IBM Worksの最後のバージョンは、1996年にリリースされたOS/2 Warpバージョン4に同梱されました。この製品は、かつてはOS/2ユーザーにとって重要な生産性向上ツールでしたが、時代の流れとともにその役割を終えることとなりました。

関連情報として、IBM、OS/2、オフィススイートに関する情報を参照することで、IBM Worksが置かれていた時代背景や技術的な文脈をより深く理解することができます。また、アーカイブされたWebサイトや技術ドキュメントは、IBM Worksの詳細を知るための貴重な情報源となります。

IBM Works フル活用 - archive.today（2013年4月27日アーカイブ）
Tech Document: Read Me for IBM Works Version 3.0（英語）

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