IFLA

IFLA（イフラ）という略称は、異なる分野で活動する二つの主要な国際組織によって使用されています。このため、この略称に接する際には、それがどちらの組織を指しているのかを明確に識別することが重要です。

一つ目のIFLAは、「国際図書館連盟」を指します。その正式名称は英語で「International Federation of Library Associations and Institutions」です。この組織は、世界の図書館、情報サービス、そして関連する専門職や機関を代表する国際的な非営利団体です。図書館は、人類の知識や文化を保存し、情報へのアクセスを提供することで、教育、研究、文化、そして社会全体の発展に不可欠な役割を果たしています。国際図書館連盟IFLAは、こうした図書館の役割を推進し、情報への普遍的なアクセスを促進し、情報サービス専門職の地位向上を図ることを目的として活動しています。具体的には、図書館業務や情報管理に関する国際的な基準やガイドラインの策定、専門知識の共有、国際会議やワークショップの開催、出版活動などを通じて、世界の図書館界の発展に貢献しています。また、デジタル化の進展に伴う情報環境の変化に対応し、著作権や情報倫理といった課題にも積極的に取り組んでいます。多くの国や地域の図書館協会、国立図書館、大学図書館などが会員として参加しており、広範な国際ネットワークを構築しています。このように、国際図書館連盟（International Federation of Library Associations and Institutions）は、世界の図書館情報分野における重要なIFLAとして認知されています。

もう一つのIFLAは、「国際造園家連盟」を指します。こちらの正式名称は英語で「International Federation of Landscape Architects」となります。この団体は、ランドスケープアーキテクチャ、すなわち造園、景観計画、都市デザイン、環境デザインなどの分野に携わる専門家たちの国際的な連盟です。ランドスケープアーキテクチャは、自然環境と人間社会の関係性をデザインし、持続可能な環境づくりや生活の質の向上を目指す専門分野です。公園や公共空間の設計、都市計画における緑地の配置、生態系の保全、地域景観の維持・創造など、その活動範囲は広範にわたります。国際造園家連盟IFLAは、世界各国の造園家協会を会員として、ランドスケープアーキテクチャの専門性の向上、教育水準の維持、倫理基準の確立、そして国際的な協力を推進することを目的としています。地球温暖化や生物多様性の損失といった地球規模の環境課題に対し、ランドスケープアーキテクトがどのように貢献できるかを探求し、その解決に向けた提言やプロジェクトを行っています。国際会議や地域別会議などを通じて、専門家間の知識や経験の交換、共同研究の推進を行っています。持続可能な開発目標（SDGs）の達成においても、ランドスケープアーキテクチャは重要な役割を担っており、国際造園家連盟（International Federation of Landscape Architects）は、この分野の専門家を代表するIFLAとして活動しています。

したがって、「IFLA」という略称が使われている文脈を確認することは非常に重要です。それが図書館や情報サービスに関する議論であれば国際図書館連盟を、造園、景観、環境デザインに関する議論であれば国際造園家連盟を指している可能性が高いです。両組織は全く異なる専門分野で活動していますが、どちらもそれぞれの分野における国際協力と専門性の発展に寄与する重要な役割を担っています。

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