IKONOS

IKONOS（イコノス）について

IKONOSは、1999年9月25日にアメリカのSPACEIMAGING社によって打ち上げられたリモートセンシング衛星で、2015年まで運用されていました。この衛星の名前はギリシャ語で「画像」という意味を持ち、特に従来のリモートセンシング衛星に比べて極めて高い分解能を誇ります。IKONOSは1メートルの分解能を持つセンサを搭載しており、これは軍事偵察衛星技術を民間に応用した初めての例として特筆されています。

IGONOSの開発と運用

IKONOSの開発は、ロッキード・マーチン社が手掛けたもので、アメリカ政府の規制緩和により、民間企業がこの種の技術にアクセスできるようになりました。その結果、IKONOSはNRO（国家偵察局）のために多くの偵察衛星を供給した技術を基にしたサービスを開始しました。2000年1月から正式にサービスを開始し、特に精密な画像収集能力で注目を集めました。2000年12月には、ポピュラーサイエンス誌から「航空宇宙分野における最優秀賞」を受賞しています。

しかし、その後のブッシュ政権の政策変化により、ロッキード・マーチン社はこの分野から撤退しました。これによりIKONOSの後継衛星の開発は滞り、経営に困難を抱えることとなります。2005年9月にはOrbimageによるSpace Imagingの買収が発表され、翌年にはGeoEyeに社名変更されました。最終的には2013年1月、GeoEyeはデジタルグローブ社に買収され、IKONOSは2015年まで運用が続けられました。

運用期間中、IKONOSは400百万平方キロメートル以上の面積をカバーし、597,802枚の画像を生成しました。これにより、地球表面の詳細な情報を提供し、様々な分野での研究や応用に貢献しました。

技術的仕様

IKONOSは、3軸制御の低軌道衛星で、ロッキード・マーチンによって設計されました。元の設計では、寿命は7年とされていましたが、実際にはそれを超える運用が行われました。衛星本体の寸法は1.83メートル × 1.57メートルで、重量は817キログラム、出力は1.5キロワットの3枚の太陽電池パネルを搭載しています。

IKONOSのセンサに関しては、白黒で0.8メートル、4メートルの多波長、さらに1メートルの白黒先鋭化という高い空間分解能を持っています。また、時間分解能については、3日から5日で元の地点に戻り、144日で直上に戻る能力があります。撮像素子は11ビットでデータを収集し、結果が高解像度なデータとして伝送されます。

さらに、IKONOSは11キロメートル × 11キロメートルの範囲を一度の走査でカバーできるため、多くのデータを効率よく取得することが可能でした。これにより、地理情報システム（GIS）や環境モニタリング、都市計画など、様々な応用分野で重宝されました。

IKONOSの功績は高解像度のリモートセンシング衛星としての技術的基礎を確立し、後続の衛星技術の発展にも寄与した点にあります。その運用終了後も、多くの研究者や専門家にとって、地球観測の重要な資料として活用されています。

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