IN SILENCE

LUNA SEA 8thシングル「IN SILENCE」：バンド初のタイアップ曲、そして活動休止前の最後の作品

1996年7月15日、LUNA SEAの8枚目のシングル「IN SILENCE」がリリースされました。このシングルは、バンドにとって大きな転換期を象徴する作品と言えるでしょう。まず、LUNA SEAにとって初のタイアップ作品となった点が挙げられます。米国CBSの人気ドラマ『シカゴ・ホープ』の日本版テーマソングに起用されたことで、より広い層のリスナーにその音楽が届けられることとなりました。

「IN SILENCE」は、5thアルバム『STYLE』に収録されていた楽曲のリカットです。アルバムからのシングルカットは、このタイアップ決定が大きな要因となりました。この楽曲はSUGIZOが作曲を手掛け、ドラマの雰囲気と見事にマッチした、美しくもどこか切ないメロディーが特徴です。さらに、コーラスには新居昭乃が参加しており、楽曲に深みと繊細さを加えています。

カップリング曲として収録されている「Ray」は、『STYLE』には収録されなかったアウトテイクの中から選ばれた楽曲です。アルバム制作時にレコーディングされた約15曲にも及ぶアウトテイクの中から、「IN SILENCE」のシングルに最もふさわしい曲として、SUGIZO作曲の「Ray」がカップリングに選ばれたとされています。アルバム未収録の貴重な楽曲を聴くことができる点も、このシングルの魅力の一つです。

そして「IN SILENCE」は、LUNA SEAの活動休止前、最後の作品となりました。1996年末に発表された活動休止は、多くのファンに衝撃を与えました。その活動休止の前にリリースされたこのシングルは、バンドの集大成とも言える存在感を放っています。

ミュージックビデオにも注目すべき点があります。少年時代のRYUICHI役として、子役時代のウエンツ瑛士が出演しています。彼は、ミュージックビデオの中でRYUICHIが手にしている鴉の死体を持っており、後年、テレビ番組でその撮影時の体験について「泣きそうなほど怖かった」と語っています。このエピソードは、ファンにとって興味深い裏話となっています。

「IN SILENCE」は、『STYLE』、『SINGLES』、『PERIOD 〜THE BEST SELECTION〜』、『LUNA SEA COMPLETE BEST』、『LUNA SEA COMPLETE BEST -ASIA LIMITED EDITION-』、『LUNA SEA 25th Anniversary Ultimate Best -THE ONE-』といった様々なアルバムに収録されており、LUNA SEAの代表曲として、現在も広く聴かれています。一方、「Ray」は『SINGLES』、『SLOW』、『LUNA SEA COMPLETE BEST -ASIA LIMITED EDITION-』に収録されています。

「IN SILENCE」は、単なるシングル曲という枠を超え、LUNA SEAの歴史、そしてバンドとファンの絆を象徴する重要な作品と言えるでしょう。タイアップ、活動休止、そしてミュージックビデオ出演など、様々なエピソードが凝縮された、まさにLUNA SEAの軌跡を感じさせる一枚です。

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