ISO/IEC 4909

ISO/IEC 4909: 金融機関カードの磁気ストライプデータ構造規格

ISO/IEC 4909は、銀行キャッシュカードやクレジットカードなどの金融機関カードにおける磁気ストライプの第3トラックのデータ構造を定めた国際規格です。金融機関カードの裏面には、一般的に3本の磁気ストライプがあり、それぞれ異なる情報を記録します。

第1トラック (IATA): 氏名や口座番号などの基本情報を記録し、読み出し専用です。
第2トラック (ABA): 口座番号などの情報を記録し、読み出し専用です。
* 第3トラック (THRIFT): 口座番号に加え、トランザクション情報（取引履歴）を記録します。他のトラックと異なり、書き換えが可能です。トランザクションが発生するたびにデータが更新されます。ただし、日本の金融機関カードでは、この第3トラックはほとんど使用されていません。

第1トラックと第2トラックのデータ構造はISO/IEC 7813で規定されていますが、ISO/IEC 4909では、この第3トラックのデータ構造を詳細に規定しています。

第3トラックのデータ構造

第3トラックには、様々な情報がエンコードされて記録されます。そのデータ構造は以下のとおりです。

1. 開始符号: データの開始を示す符号
2. フォーマットコード (FS): データのフォーマットを指定するコード
3. 口座番号（カード番号） (PAN): カードを識別する主要な番号
4. セパレータ: 各データ項目を区切る記号
5. 国コード: カード発行国のコード
6. 通貨: 取引に使用される通貨の種類
7. キャレンシーエクスポーネント: 通貨の指数
8. 一定サイクルの限度額: 一定期間における取引限度額
9. 1回あたりの限度額: 1回の取引における限度額
10. サイクル開始: 期間の開始日
11. サイクル期間: 期間の長さ
12. リトライカウント: 認証失敗回数のカウント
13. 暗証番号コントロールパラメータ (PINPARM): 暗証番号に関する制御パラメータ
14. インターチェンジコントロール: カードの相互運用性に関する制御情報
15. 口座種別とサービス規制コード - PAN: 口座の種類とサービスに関する制限情報
16. 口座種別とサービス規制コード - SAN-1: 補助口座1に関する情報
17. 口座種別とサービス規制コード - SAN-2: 補助口座2に関する情報
18. 有効期限: カードの有効期限
19. カードシーケンス番号: カード発行順序を示す番号
20. カードセキュリティ番号: カードのセキュリティを確保するための番号
21. 第1補助口座番号 (SAN-1): 補助口座番号1
22. セパレータ: データ項目を区切る記号
23. 第2補助口座番号 (SAN-2): 補助口座番号2
24. セパレータ: データ項目を区切る記号
25. リレーマーカー: データの伝送に関連するマーカー
26. チェックディジット (CCD): データの整合性を確認するためのチェックサム
27. 追加データ: その他の追加情報
28. 終了符号: データの終了を示す符号
29. 水平冗長検査文字 (LRC): データのエラーチェックのための文字

この規格は、金融機関カードにおけるデータの安全な交換と相互運用性を確保するために重要な役割を果たしています。各項目の意味やデータ構造の詳細については、ISO/IEC 4909:2006規格を参照ください。

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