ISO/IEC JTC 1/SC 2

ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2：文字符号化の国際標準化を担う組織

ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2は、国際標準化機構(ISO)と国際電気標準会議(IEC)が合同で設立した技術委員会(JTC 1)における副委員会であり、文字符号化に関する国際標準の策定を専門としています。コンピューターや情報通信技術の発展において、文字情報を効率的かつ一貫して扱うための基盤となる文字符号化規格の策定は、グローバルな情報化社会を支える上で極めて重要な役割を担っています。

歴史

ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2の歴史は古く、1962年にISO/TC 97技術委員会（電子計算機と情報処理）の下部組織としてISO/TC 97Bとして発足しました。その後、1962年にはISO/TC 97/SC 2に名称変更され、1987年にはISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1の設立に伴い、ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2に改組されました。以来、長年に渡り、文字符号化に関する国際標準の策定、改訂、維持管理を行い、世界中のコンピューターシステムや情報通信ネットワークにおける文字情報の相互運用性を確保する上で貢献してきました。

組織と役割

ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2は、文字符号化に関する様々な技術課題に取り組むため、複数のワーキンググループ(WG)を設置しています。中でも重要な役割を担うのが、WG 2と、過去に活動していたWG 3です。

ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2/WG 2：多オクテット文字符号化の専門家集団

WG 2は、多オクテット文字符号(マルチバイト文字コード)の国際標準であるISO/IEC 10646|ISO_IEC 10646 (Universal Character Set, UCS)とその照合方法(ISO/IEC 14651)の標準化を担当しています。特に、世界中の様々な言語で用いられる膨大な数の漢字をどのように符号化するかは、WG 2にとって大きな課題でした。このため、漢字符号化を専門的に扱うIdeographic Rapporteur Group (IRG)を設立し、専門家による綿密な検討を重ねることで、多言語対応の文字符号化を実現しています。IRGの活動は、現代のグローバルな情報化社会において、言語の壁を越えた情報共有を促進する上で極めて重要です。

ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2/WG 3：7bit/8bit文字符号化の管理

WG 3は、7bitおよび8bit文字符号化に関する標準化を担当していました。具体的には、ASCIIコードと互換性のあるISO/IEC 646|ISO_IEC 646、ISO/IEC 646|ISO_IEC 646を拡張したISO/IEC 8859|ISO_IEC 8859シリーズ、複数の文字符号化方式を切り替えるためのISO/IEC 2022|ISO_IEC 2022やISO/IEC 2375、制御符号の規格であるISO/IEC 6429などを扱っていました。2004年に解散し、その業務はSC 2本体に引き継がれました。WG 3の活動は、初期のコンピューターシステムや情報通信ネットワークにおける文字符号化の標準化において重要な役割を果たしました。

まとめ

ISO/IEC JTC 1|ISO_IEC JTC 1/SC 2は、半世紀以上にわたる歴史を持つ、文字符号化の国際標準化を担う重要な組織です。WG 2とWG 3の活動を通して、世界中のコンピューターシステムや情報通信ネットワークにおける文字情報の相互運用性向上に大きく貢献してきました。現代においても、グローバルな情報化社会の進展に合わせ、文字符号化に関する様々な課題に取り組み続けています。今後もその役割はますます重要性を増していくでしょう。

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