IT'S ONLY LOVE/SORRY BABY

福山雅治の代表曲『IT'S ONLY LOVE／SORRY BABY』：ミリオンセラーを記録した軌跡

1994年3月24日、福山雅治の9枚目のシングル『IT'S ONLY LOVE／SORRY BABY』がBMGビクターより発売されました。このシングルは、彼のキャリアにおいて重要な転換点となる作品であり、数々の記録を打ち立てました。

前作『All My Loving／恋人』から約半年ぶりとなる本作は、表題曲の両A面シングルとしてリリースされました。「SORRY BABY」は1993年10月より、「IT'S ONLY LOVE」は1994年3月より、ダイドーブレンドコーヒーのCMソングに起用され、福山雅治自身もCMに出演。このタイアップ効果が大きく作用し、シングルはオリコン週間シングルランキングで初登場1位を獲得。さらに、4週連続1位という快挙を達成しました。

その勢いは売上枚数にも反映され、『IT'S ONLY LOVE／SORRY BABY』はオリコンと日本レコード協会の両方の集計において、福山雅治自身初のミリオンセラーに認定されました。これは、彼にとって大きな飛躍を意味する出来事でした。2021年9月時点のオリコン調べによると、シングル別累計売上枚数は『桜坂』、『HELLO』に次ぐ3番目のヒット作品となっています。

楽曲の詳細

IT'S ONLY LOVEは、福山雅治が作詞・作曲を手掛け、斎藤誠が編曲を担当しました。タイトルはビートルズの楽曲「It's Only Love」からインスピレーションを得ています。この曲は、斎藤誠の「歌番組でいつもキツそうに歌っているから、もっと楽に歌える曲を作ろう」という提案がきっかけとなって制作されました。作詞には多くの時間を費やしましたが、後に発売されるアルバム『ON AND ON』の世界観を繋ぐ重要な作品となりました。東日本大震災以降は、歌詞の一部を変更して歌われることもあります。ミュージックビデオも制作されており、映像作品『FUKUYAMANIA』に収録されています。

一方、SORRY BABYはSIONが作詞作曲した楽曲で、小原礼が編曲を担当しました。元々は、SIONが1986年にリリースしたアルバム『SION』に収録された楽曲で、福山雅治の5thアルバム『Calling』の初回プレス盤ボーナス・トラックにも収録されていました。この曲は、「カバー曲でCMをやらないか？」というオファーを受け、福山雅治のリクエストにより選曲されたものです。

多様なバージョンと収録アルバム

『IT'S ONLY LOVE』はその後も様々なバージョンでリリースされ続けました。アルバム『ON AND ON』にはドライな雰囲気の「IT'S ONLY LOVE (ALBUM MIX)」が、シングルコレクションアルバム『M-COLLECTION 風をさがしてる』にはオーケストラアレンジの「IT'S ONLY LOVE (Strings Version)」が収録されています。他にも多くのアルバムに収録されており、その人気と幅広いアレンジの多様性がうかがえます。

『SORRY BABY』もまた、『Calling』、『M-COLLECTION 風をさがしてる』など様々なアルバムに収録され、その人気を証明しています。

さらに、『IT'S ONLY LOVE』は、伴都美子やTiaraなど、多くのアーティストによってカバーされており、世代を超えて愛されている楽曲であることが分かります。

『IT'S ONLY LOVE／SORRY BABY』は、音楽史に刻まれた福山雅治の代表作であり、その成功は彼の才能と、時代を捉えた戦略、そして楽曲自体の魅力の賜物と言えるでしょう。

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