ITスキル標準

ITスキル標準（ITSS）について

ITスキル標準（アイティースキルひょうじゅん、ITSS）は、経済産業省が策定した、IT関連の専門的な技能やキャリアの基準を示す重要な指標です。IT人材が持つべき能力を、具体的な職種や専門分野ごとに種類分けし、明確に整理しています。これによって、企業や教育機関が求める人材像を明確化し、個人の自己評価やキャリア形成に役立てることができます。

ITSSの構成

ITスキル標準は、ITサービスの分野において11の主要な職種とそれに付随する38の専門分野に分類されており、これらの各職種には最大7段階のスキルレベルが設定されています。具体的には、以下の分野があります：

• - マーケティング
• - セールス
• - コンサルタント
• - ITアーキテクト
• - プロジェクトマネジメント
• - ITスペシャリスト
• - アプリケーションスペシャリスト
• - ソフトウェアデベロップメント
• - カスタマーサービス
• - ITサービスマネジメント
• - エデュケーション

それぞれのスキルレベルにおいて、求められる業務経験や実務能力、知識が定義されており、自己評価やキャリアパスの設計に大いに役立ちます。

スキルレベルの評価基準

ITSSでは、スキルレベル3以下は試験合格によって評価される一方で、スキルレベル4においては、試験合格に加えて実務経験も考慮されます。さらに、スキルレベル5以上になると、試験だけでは評価しきれないため、特定の経験や能力が求められます。このように、段階的にスキルを評価する仕組みが整っていることで、豊富な経験を持つ技術者でも適切な評価が得られるようになっています。

ITSS+（プラス）の導入

2017年4月には、ITスキル標準の拡張版としてITSS+（プラス）が導入されました。この新たなスキル標準では、セキュリティとデータサイエンスに特化した領域が追加されました。セキュリティ領域は、国家資格である「情報処理安全確保支援士」が想定する業務内容を含んでおり、様々なセキュリティ業務に対応しています。一方、データサイエンスの領域については、情報処理推進機構とデータサイエンティスト協会の協力により、専門的なスキルを策定し、データ分析に特化した人材を育成するための基準が整えられています。

まとめ

ITスキル標準（ITSS）は、急速に変化するIT業界において、求められるスキルセットを明確にし、IT人材の成長とキャリア形成に寄与する重要な指標です。スキルや専門性に基づいた評価によって、個々の技術者が自らの専門性を磨き、業界での信頼性を高めるための基盤が整っています。このように、ITSSおよびITSS+を活用することが、IT業界全体の質の向上に寄与しています。

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