ITV (イギリス)

ITV (Independent Television)

ITVは、イギリスにおける民間放送ネットワークであり、1955年9月22日に「ITVネットワーク・リミテッド」が運営を開始しました。この放送局はイギリスで最も古い民間テレビ局であり、主に娯楽番組を中心に放送し、公共放送局であるBBCと競争してきました。法律上、ITVは「Channel 3」として知られています。

ITVの構造と運営

ITVの運営形態は、日本の「JNN」のような集合体であり、地域ごとの放送免許は、当初IBAという組織によって管理され、現在はOFCOMによって運営されています。具体的には、ITVは14地域のそれぞれに放送免許を交付し、放送業務を地域の会社に委託しています。これにより、全国における朝の放送を行う企業や文字放送を行う会社も含め、合計17社が存在します。その後、マイノリティ対象向けの「チャンネル4」も、ITV各局の資金提供で設立されました。しかし、チャンネル4は資本的にはITVとは無関係です。

放送法の改正と合併

1990年に施行された放送法により、地域毎の放送免許が再編成され、放送局の合併が促進されました。特にグラナダ・メディア・グループとカールトン・テレビジョンが合併を進め、2004年までには15局のうち11局が統合されました。その結果、ITV plcがイングランドとウェールズ、南部スコットランドの放送エリアを運営し、北アイルランドやチャネル諸島の局はそれぞれ独立した運営を維持しました。

デジタル化の進展

1998年に地上デジタル放送が開始されると、ITVは衛星およびケーブルテレビ向けにも多チャンネルサービスを展開しました。地上デジタル放送向けには有料チャンネルも開設されましたが、経営上の問題から2002年にそのサービスは終了し、無料のFreeviewサービスに移行しました。現在では、ITV1をはじめ、ITV2、ITV3、ITV4、CITV Channel、ITVBeなど多様な専門チャンネルが設置されています。

ニュース制作の仕組み

ITVでは地域ごとに放送局が存在するため、各ニュース番組の制作は主に地域に特化しています。一方で、全国ニュースについてはITN（ITVニュースサービス）という専属の制作会社が関与し、各系統にニュースを供給しています。ITNはチャンネル4やその他のメディアでもニュースを配信しています。ITVの地上デジタル化が進んだ後も、ニュース制作はITNが担っており、その体制は継続されています。

朝の放送と番組編成

ITVの朝の時間帯は、当初は教育・教養番組がメインでしたが、これを改変しニュース・情報番組を放送するための免許を取得しました。1983年2月にTV-amが設立され、朝の放送を開始。他の局とは異なりGMTVがその後の放送権を取得し、1993年から放送を行いました。2009年にはGMTVを買収し、ITVの子会社とし、2014年には「グッド・モーニング・ブリテン」という番組をスタートしました。

ITVの地方フランチャイズ

ITVの地方フランチャイズは15社、全国向けのフランチャイズが2社存在します。各地域局は非営利法人であるITVネットワーク・リミテッドに加盟し、ITV plcはその大部分を運営しています。ITVは地方の局への制作提供も行い、全国ニュースについては共通の契約者（現時点ではITN）が供給しています。

放送の歴史と影響

ITVはその歴史において幾度かのストライキや経営に影響を与える出来事がありました。特に1979年のストライキは、長期にわたり放送を中断させる結果となり、推定1億ポンドの損失をもたらしました。これを契機に、番組編成や運営体制の変更が迫られることとなりました。

まとめ

ITVはイギリスにおける重要な民間放送ネットワークであり、様々な地域の特色を活かして多彩な番組を提供しています。その歴史や運営構造は、他の国々の放送システムとは異なる独自の特徴を持っています。

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