If you wish...

宇都宮隆の6thシングル『if you wish...』について

宇都宮隆が1997年7月2日に発表したシングル『if you wish...』は、そのメロディと歌詞が多くのリスナーの心に響く作品です。本楽曲は松竹映画『エルマーの冒険』の主題歌として使用され、ファンからも高く評価されています。プロデュースは小室哲哉が手掛け、彼の独特なスタイルが光る仕上がりとなっています。

この楽曲の歌詞は、globeのメンバーであるマーク・パンサーが担当しました。宇都宮は初めて送られた歌詞にクレジットがなかったため、小室が書いたものだと勘違いしてしまったと語っています。というのも、歌詞のタッチが非常に小室の作風に似ていたためです。特に印象的なのは、歌詞が掲げる「少しの勇気を持って頑張れば、夢は叶うんじゃないか？」というテーマです。宇都宮はこの雰囲気を掴みつつ、どのように表現するかについて事前にイメージを持たずにレコーディングに挑んだと言います。

宇都宮は、この無計画な取り組みができたのは、TM NETWORK|TM_NETWORK時代からの経験によるものだと自負しています。「歌詞が入るとメロディが全く変わってしまうため、歌入れでは毎回自分の解釈で臨んでいる」というスタイルは、他のアーティストにはなかなか真似できない麻袋だと述べました。

シングルの収録曲には「If you wish...(mix for movie film)」が含まれており、同作のオリジナル・サウンドトラックにも収録されています。この録音は、先にエンドロールで使用されるボーカルを録音し、その後、ライブツアーの合間に収録されました。宇都宮は、体調に気を使いながらその日のコンディションを見極めてレコーディングに臨み、「ライブ・デモテープ制作時の勢いが反映された」と振り返ります。

その一週間後には、シングル用のボーカルを録音し、今回はスケジュールにも余裕があったため、すべてのパートを録り直しました。「今回は少し抑えて歌い、リズム録りも変更した」と語る宇都宮は、新たなアプローチによってパーカッションの音がより引き立つように工夫しました。このような細部へのこだわりが、このシングルを一層際立たせる要因となっています。

ミキシング作業は、エンドロール用のバージョンはロサンゼルスで行われ、シングルCD用はロンドンで行われました。興味深いことに、小室の楽曲ではサビ以外が全般的に低めのキーで構成されていますが、それが楽曲の全体的な雰囲気を落ち着かせ、聴くものに独特な印象を与えました。宇都宮はこの点について、「小室が僕に書く楽曲はどうしてもこんな感じになってしまう」と述べる一方で、難易度が高い歌であるとも指摘しています。そのため、歌いこなすのは簡単ではなく、特に友人である木根尚登はこの楽曲には「破れた勢いがあって、俺には歌えない」と苦言を呈したほどです。

収録曲一覧

1. if you wish... (Straight Run)
- 作詞：MARC、作曲・編曲：小室哲哉、Mixed by Dave Ford
2. if you wish... (Intensive Remix)
- 作詞：MARC、作曲・編曲：小室哲哉、Remixed by Dave Ford
3. if you wish... (Instrumental)
- 作曲・編曲：小室哲哉

収録アルバム

• - TAKASHI UTSUNOMIYA THE BEST FILES
• - TAKASHI UTSUNOMIYA ORIGINAL SINGLES 1992-2003

このように、『if you wish...』はただのシングルではなく、宇都宮隆の音楽スタイルや制作の哲学が反映された重要な作品です。

もう一度検索