Ikv 72

Ikv 72 (Infanterikanonvagn 72)

Ikv 72は、スウェーデンのランツヴェルク社が1950年代初頭に開発した軽突撃砲です。歩兵支援を主任務とし、直接射撃による火力支援を目的としていました。開発にあたっては、量産性を高めるため、低コスト化と軽量化が重要な要素とされました。

歴史

1949年、スウェーデン軍は歩兵支援用の突撃砲計画を立案しました。この計画では、直接射撃による歩兵支援を目的とし、量産のために低コスト化、さらに車重は6トンまでとすることが求められました。ランツヴェルク社は1952年にこの計画に参加し、1953年から1954年にかけて36輌のIkv 72がスウェーデン軍に発注されました。

構造

Ikv 72は、砲郭構造かつオープントップの上部構造を前方に有し、エンジンと変速機は後方に配置されています。一般的な戦車とは異なり、駆動輪は後方にあるのが特徴です。車体重量は8トン、乗員は4名です。主砲は固定砲であり、左右に5度ずつ旋回可能です。当初は105mm砲を搭載する予定でしたが、初期の車両にはStrv m/42の75mm m/41 L/34砲が装備されました。この車両では榴弾のみを発射しました。

派生型

Ikv 102

1956年から1958年にかけて、既存のIkv 72を改修してIkv 102が誕生しました。この改修では、ハッチ付きの天板が追加され、破片や[狙撃]]から乗員を保護できるようになりました。主砲は、ボフォース社製のマズルブレーキを備えた105mm砲に換装され、その結果、重量は8.8トンに増加しました。1960年には、対装甲目標に対して榴弾よりも効果的な対戦車[[榴弾]が追加されました。

Ikv 103

Ikv 103は、Ikv 102の小改良版として登場しました。105mm砲はそのままに、エンジンをボルボ・エアロ（現：GKNエアロスペース）製の四気筒水平対向B42エンジンに換装しました。空気取り入れ口は、従来は戦闘室から取り入れていましたが、この変更により、新たにグリルが追加され、そこから吸入するようになりました。車重は変わらず8.8トンでした。この車両はインドやその他の国への輸出も計画されました。

その後の展開

1980年代に入ると、Ikv 103はさらに再改造され、Pansarvärnsrobotbandvagn 551(PvRbBv 551)やLuftvärnsrobotvagn 701(lvrbv 701)といった対戦車ミサイルや対空ミサイルを搭載した車両へと転用されました。

まとめ

Ikv 72は、その後のIkv 102、Ikv 103へと発展していく中で、歩兵支援の役割を担い続けました。その設計思想は、後のスウェーデン軍の装甲車両の開発にも影響を与え、各派生型もまた、それぞれが独自の役割を担いました。この車両は、スウェーデン軍における装甲車両開発の一つの重要なステップと言えるでしょう。

脚注

参考文献

Infanterikanonvagn 72 / 102 / 103 (参照日: 2024年3月12日)
Lindstrom, Rickard O. Ikv 72/102/103

もう一度検索