Illusion (久石譲のアルバム)

久石譲の4thアルバム『illusion』は、1988年12月21日にNECアベニュー / IXIAから発売された、初のボーカルアルバムです。前作『Piano Stories』からわずか5ヶ月後のリリースであり、久石譲の音楽性の新たな一面を垣間見ることができる作品として注目されました。

構成

本作は、久石譲にとって初のボーカルアルバムであり、それまでのインストゥルメンタル中心の作風から大きく転換を図った意欲作です。AOR（アダルト・オリエンテッド・ロック）の要素を大胆に取り入れ、ムーディで都会的なサウンドを展開しています。

リリース

1988年12月21日には、LPレコード、カセットテープ、CDの3形態で同時発売されました。当時の音楽メディアの状況を反映したリリース形態と言えるでしょう。

批評

CDジャーナルは、「ムーディに歌ってます。AOR大歓迎といった趣の作品。」と評し、肯定的な評価を与えています。久石譲の新たな挑戦が、音楽評論家からも好意的に受け入れられたことが伺えます。

収録曲

1. Zin Zin
2. Night City
3. 81⁄2の風景画
4. 風のHighway
5. 冬の旅人
6. オリエントへの曳航
7. ブレードランナーの彷徨
8. L' étranger
9. 少年の日の夕暮れ
10. illusion

楽曲解説

Night City
先行シングルとしてリリースされた楽曲。都会の夜景を彷彿とさせる、洗練されたサウンドが特徴です。
冬の旅人
フジテレビ・東海テレビ系ドラマ『華の別れ』の主題歌として、1989年1月10日にシングルカットされました。ドラマの内容に合わせて、一部歌詞が変更されています。
* L' étranger
先行シングル「Night City」のカップリング曲として収録。アルバム全体の雰囲気を象徴する、エキゾチックなメロディーが印象的です。

参加ミュージシャン

アルバムには、久石譲の音楽を支える多くのミュージシャンが参加しています。彼らの卓越した演奏技術が、アルバムのクオリティを高める一助となっています。（詳細な参加ミュージシャン情報は、現時点では入手困難です。）

『illusion』は、久石譲の音楽キャリアにおいて、重要なターニングポイントとなった作品と言えるでしょう。ボーカル曲への挑戦、AORの導入など、新たな試みが随所に見られ、その後の久石譲の音楽性の幅を広げるきっかけとなりました。

もう一度検索