In Search of the Unknown (未知を求めて)
『In Search of the Unknown』は、
[ダンジョンズ&ドラゴンズ]ロールプレイングゲームの、ベーシックセットのルールで使用するためにデザインされた冒険モジュールです。
概要
このモジュールは、ダンジョンマスター(DM)がダンジョンの作り方を学ぶための入門シナリオとして企画されました。新規プレイヤー向けの教育的な冒険として、マイク・カーによって執筆されました。このモジュールは、DMがモンスターや宝物を自分で選択・配置できる、初心者向けのシナリオです。モジュールコードはB1と名付けられましたが、これはD&Dベーシックセットのために製作された最初の冒険であることに由来します。アドバンスト・
[ダンジョンズ&ドラゴンズ]への変換も可能でした。推奨プレイヤーキャラクター(PC)レベルは1~3で、ゲーム経験が少ない、あるいは全くないDMとプレイヤーのために書かれています。
出版履歴
このモジュールはD&D Basic Setの初版に収録されていました。マイク・カーが執筆し、32ページの小冊子と、外装の2色刷りカバーで構成されていました。オリジナルの版の6ページには「このモジュールのAD&Dでの使用」という項目が存在しましたが、1981年の版で削除されました。試作版を含め、販促用アートワークによって生じた6つの異なる版が存在します。
1984年には、TSR社から10周年記念のボックスセットが出版され、このモジュールも収録されました。限定1000部で販売されています。
再編集モジュールである
In Search of Adventureには、タイトルにその名残があるにもかかわらず、In Search of the Unknownの内容は一切含まれていません。実際はカスケトン洞窟のダンジョン地図だけが掲載されています。
初版ではモジュールの舞台として、「グレイホークの世界」キャンペーン設定(ラティク、テン、ペイルの付近)が提案されていましたが、この情報は以降の版では除去されています。エキスパートセットでは、ノウンワールドのカラメイコス大公国に配置されました。
内容
長い導入部では、冒険の仕組みを解説し、初心者DMとプレイヤーに多くのヒントを提供します。48名の第1レベルキャラクターが含まれる作成済みキャラクターリストが用意されており、ノンプレイヤーキャラクター(NPC)をパーティと一緒に旅させるために使用する、従者と雇い人の利用可能性を示す項目と、DM用にそれらのキャラクター達の詳細な解説があります。DMが用意された表から自分で選択してモンスターや宝物を配置することのできる、多くの部屋と洞窟が存在します。
プロット
物語の舞台は、かつてロガーンとゼリガーという2人の冒険者が建設した、カスケトンの洞窟群と呼ばれる隠された複合施設です。彼らは文明社会の目を逃れ、この基地から活動していました。彼らは蛮族の侵略を撃退し、地元住民の支持を得ていましたが、最終的には自分達自身の軍隊を編成して遠征を行い、破滅しました。
PCは、カスケトン洞窟群のどこかに大した宝物が隠されているという噂を耳にし、洞窟の入り口から探索を開始します。
ダンジョンの上層階には、オーク、トログロダイト、ジャイアントラットなどのモンスターが徘徊しています。DMは、各部屋で遭遇する危険に加え、グループがこれらの脅威に遭遇するかどうかを定期的に判定します。多くの部屋は空白であり、DMはモンスターや宝物を自由に配置できます。
上層階はロガーンとゼリガーの住居であったため、彼らの私有財産が残されています。多くの罠が待ち受けており、部屋には水たまり(危険なものとそうでないものがあります)、そしてウィザードの研究室があります。
未完成の下層階には、ゾンビやゴブリンなどのモンスターが潜んでいます。美術館、闘技場、大洞窟などの部屋が用意されていますが、多くの洞窟は未記述であり、DMが内容を考案する必要があります。
モジュールの終了は、グループが戦って発見した敵と宝物の表によって判断します。ダンジョンを探索する途上で出会うかもしれない様々なクラスのキャラクターの表もまた考慮されます。更に、グループが冒険を通じて使ったかもしれない作成済みキャラクターの人数も含まれます。
評価
そのシンプルで率直なプロットとデザインにより、『In Search of the Unknown』はD&Dゲームを始めるのに良い導入になると見なされています。
ドン・ターンブルはホワイトドワーフ誌で、このモジュールを10段階評価で9と評価し、TSRの品質の高さを称賛しました。
ワイアード誌のケン・デンミードは、このモジュールを「初心者キャラクターのための模範的なダンジョン潜り」として挙げています。