InK

InK（インク）

InKは、日本の音楽シーンにおいて独特の存在感を放つ二人のアーティスト、テクノユニット「電気グルーヴ」の中心メンバーである石野卓球と、ヒップホップグループ「TOKYO No.1 SOUL SET」のDJ兼トラックメイカーである川辺ヒロシが共同で立ち上げた音楽プロジェクトです。ユニット名は、二人の姓の頭文字「Ishino」と「Kawanabe」から名付けられました。

結成の経緯と活動開始

このプロジェクトの構想は、意外にも「電気グルーヴ×スチャダラパー」によるコラボレーションライブの打ち上げの場で持ち上がったとされています。音楽ジャンルは異なれど、日本の音楽シーンを牽引してきた二人が意気投合し、新たなサウンド創造への意欲が形になりました。2006年には、ソニーミュージック傘下のキューンレコードより、シングル作品となる「C-46」を発表し、本格的に活動をスタートさせました。当初は単発の企画ではなく、今後も継続的に活動していく意向がメンバーから示唆されていましたが、残念ながら「C-46」リリース以降、表立った作品の発表やライブ活動は確認されていません。

メンバー

石野卓球（いしの たっきゅう）
1967年12月26日生まれ。日本のテクノシーンを代表する音楽家であり、電気グルーヴのメンバーとして国内外で活躍しています。

川辺ヒロシ（かわなべ ヒロシ）
1967年3月24日生まれ。TOKYO No.1 SOUL SETのDJおよびトラックメイキングを担当。幅広い音楽性を持つアーティストです。

ディスコグラフィー

InK名義での作品は、主にシングル作品がリリースされています。

アナログレコード

活動初期に限定生産のアナログレコードがリリースされました。

配信限定シングル

主にモバイル向け着うたフルやPC向け配信としてリリースされました。

Disguise（2006年5月3日）
Flat Field（2006年5月17日）
Mod Frequency（2006年5月17日）

これらの配信シングルは、ユニット独自の電子音楽へのアプローチを示すものとなりました。

エピソード

活動期間は短かったものの、いくつかの印象的なエピソードが残されています。

ライブパフォーマンスにおいては、彼らのルーツや意外な音楽趣味を垣間見せるカバー曲を披露したことがあります。特に、井上陽水の「氷の世界」や萩原健一の「ショーケントレイン」といった日本のロック・ポップスの名曲を、彼らならではの解釈で演奏し、ファンを驚かせました。

アルバムリリース時には、ユニークなインストア・イベントも開催されました。例えば、タワーレコードでは、リリー・フランキーや宇川直宏といった親交のある人物を招いたトークイベント「InKと○○の楽しいおしゃべり」を実施し、スチャダラパーのアニとシンコが飛び入り参加するなど、和やかな雰囲気の中で行われました。

さらに、HMVで開催された「InKのネット見まSHOW」と題されたイベントでは、石野卓球と川辺ヒロシがインターネット、特にYouTubeで見つけてきた面白い動画をお酒を飲みながら観賞し、観客と共に笑い合うという型破りな内容でした。紹介された映像の中には、「電気結成初期の大阪ファンダンゴでの初ライブ映像」、「キマってる特集ベスト」、「昔のキテる華原朋美」、「紙袋の中に自分の糞を入れて持ち歩く男」、「聖飢魔IIのデーモン小暮のコスプレでNHKのど自慢に出場したはいいが、なかなか緊張して上手く唄えない男」などがあり、彼らのユーモアセンスと好奇心旺盛な一面がよく現れていました。

その後の状況

前述の通り、プロジェクト開始時には継続的な活動の意向が示されていたものの、2006年の活動以降は、残念ながら新たな展開は確認されていません。個々の活動で多忙な二人ですが、いつの日か再びInKとしての作品が届けられることを多くのファンが待ち望んでいます。

関連プロジェクト

InKのメンバーがそれぞれ所属する、日本の音楽シーンにおける重要ユニットです。

電気グルーヴ
* TOKYO No.1 SOUL SET

このプロジェクトは、ジャンルの垣根を超えた日本の音楽家の交流の一例として記憶されています。

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